2014 Fiscal Year Research-status Report
ヘルスサービスリサーチ基盤型地域医療リーダー養成プログラムの開発研究
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26460605
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
貝沼 茂三郎 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30361968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 素文 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00291518)
馬場園 明 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90228685)
菊川 誠 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60378205)
永田 雅治 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70645639)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域医療 / ヘルスサービスリサーチ / ロールモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
1.福岡県内での医療、福祉、介護、保健に関する問題点の抽出:福岡県の後期高齢者医療制度のレセプトを用いて、平成25年度中に入退院し、レセプト病名の先頭に来る主傷病が脳卒中、虚血性心疾患、悪性腫瘍、認知症であるものを抽出した。そして医療資源の充足度をある程度反映していると考えられる指標として圏内受診率および流出率を算出した。更に、それらを二次医療圏間で比較するため、当該医療圏の外へ流出するリスクの指標として流出オッズも算出した。その結果、脳卒中全体では朝倉、粕屋、宗像医療圏、虚血性心疾患では朝倉、八女・筑後医療圏、悪性腫瘍全体では京築、筑紫、粕屋医療圏で特に医療資源が乏しいことが推測された。一方で、認知症に関しては医療圏の完結率が60%以下のところはなかった。 2.ロールモデルの発掘:「地域医療を担うリーダーに求められるコンピテンシーに関する探索的研究」という研究計画を立て、九州大学医学部倫理委員会の承認を得て、研究を開始した。現在地域医療のリーダーとして活躍している医師を日本プライマリ・ケア連合学会理事から推薦してもらった医師の中から研究責任者ならびに共同研究者で議論を行い、全国から郡部や都市部も含めてバランスよくインタビュー対象者を選択した。個別インタビューを行い、記録したインタビューを逐語録にして、研究責任者と共同研究者が個別に逐語録を読み、地域医療のリーダーに求められるコンピテンシー(能力)を抽出することとした。これまで13名にインタビューを行い、そのうち、6名分について解析を行った。 3.大学或いは企業を抽出してリーダーシップ養成プログラムの研究・体系化:九州大学イノベーション人材養成センターはすでに活動を終了しており、そこから各企業のリーダーシップ養成プログラムの抽出を御願いしよう考えていたが、実施困難であった。今後共同研究者と議論し研究の方向性を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.福岡県内での各地域における医療、福祉、介護、保健に関する問題点の抽出 本来であれば平成26年度中に各医療圏での問題抽出まで予定していたが、膨大なレセプトデータからの抽出作業のためデータ抽出に時間がかかってしまってしまい、研究が遅れてしまっている。 2.ロールモデルの発掘 当初の計画ではグループインフォーカスという方法で、各先生方に集まっていただき、座談会形式でインタビューを行う予定であったが、各先生方の日程調整が難しく、個別インタビュー方式に変更した。そのため再度倫理委員会の承認を得てから、インタビューを開始することになったため、開始が遅れてしまったが、短期間で13名のインタビューを行い、6名の解析を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.福岡県内での各地域における医療、福祉、介護、保健に関する問題点の抽出:福岡県の後期高齢者医療制度のレセプトを用いて、福岡圏内の13医療圏における脳卒中、虚血性心疾患、悪性腫瘍、認知症に関する医療資源の充足度に関するさらに詳細な検討を行い、特に学生が地域医療実習をしている福岡・糸島、粕屋、宗像、筑紫、八女・筑後、有明、飯塚、直方・鞍手、北九州、京築医療圏に関しての問題点を抽出する。 2.ロールモデルの発掘:すでにインタビューを終えた残りの7名分のコード化、カテゴリー分類に関する解析を行う。新しい概念が抽出されず飽和に達した場合にはインタビューは終了するが、不十分と判断された場合には、追加で個別インタビューによるデータ収集を行う。またリーダー像に関する解析結果が研究協力者の認識と矛盾しないかを確認する。 3. 試行プログラム案の作成:その後得られた課題から、研究分担者などと議論を重ね、試行プログラム案を作成する。さらにFaculty Developmentや各施設での指導者、有識者、学生などが参加する国内シンポジウムを開催し、試行プログラムを洗練するとともに、より具体的方策について議論する。
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Causes of Carryover |
ロールモデルの発掘のため、次年度も個別インタビューを行う必要が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度終了した個別インタビューに加えて、さらに7名程度のインタビューを計画している。そのための旅費、人件費、謝金に用いる。またFaculty Development、国内シンポジウムを開催し、試行プログラムの具体的内容と改善の方向性を多面的に議論するための物品費、講師やシンポジストへの謝金や準備などにかかる人件費や物品費、講師やシンポジストの旅費などに使用する計画である。
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