2016 Fiscal Year Research-status Report
学生と教員が協働する診療参加型実習eポートフォリオの教育効果と持続可能性の検証
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26460613
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
ブルーヘルマンス ラウール 東京医科大学, 医学部, 准教授 (50424601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 昭子 東京医科大学, 医学部, 教授 (80315811)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | eポートフォリオ / eラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、診療参加型臨床実習におけるeポートフォリオの高い教育効果と持続可能性の検討と実現に向けて、下記を実施した。 (1) 第5学年の臨床実習および第6学年の選択実習において、症例の記録、実習に関する省察、指導医とのフィードバックのやりとりなどを行うeポートフォリオを5診療科から10診療科に拡大した。 (2) 第1学年の早期臨床体験実習において、学生が自習の度に日誌を書き、学期末に日誌エントリが根拠となり、学習到達目標(コンピテンシー)の達成度について振返りを行うeポートフォリオを引き続き実施した。 (3) eポートフォリオの教育効果と持続可能性を調べる目的で、平成28年度にeポートフォリオを導入した診療科で実習した5年生(5年生全員)および6年生(その診療科を選択した6年生のみ)を対象に質問票調査を引き続き実施した。1年生に関しては、平成27年度同様通常の学期末に行う授業評価アンケートの中にeポートフォリオについて意見を求めた。その結果、高学年の臨床実習における日誌型eポートフォリオが教育効果と持続可能性に特に優れていることが示唆され、逆に低学年の学習到達目標の達成度を評価するeポートフォリオが持続可能性の面で問題があることがわかった。 (4) 本学eラーニングシステム「e自主自学」を用いて、学生を指導医、看護師、学生が360度評価し、被評価者にフィードバックできるシステムを引き続き第6学年の全診療科における臨床実習の評価に使用した。 (5) (3)の結果に基づいて、モバイルへの対応の改善、診療科別eポートフォリオから全診療科共通eポートフォリオへの変更、日誌型eポートフォリオへの統一など、eポートフォリオ・プログラムの電子システム・中身・運用体制の改良を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では、平成28年度には全診療科にeポートフォリオを導入する予定だったが、10診療科に留まった。平成28年度中にeポートフォリオが導入された診療科/科目においてeポートフォリオを利用した学生の質問票調査を行うことができたが、研究期間を1年間延長し、平成29年度中に全診療科における教育効果と持続可能性を検証し、計画した研究の目的を果たすことが可能であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に原則全診療科(茨城医療センターの診療科を除く)への日誌型eポートフォリオの導入が教育委員会・教授科で承認され決定した。そのため、研究を1年間延長し、平成29年度中に、今までの研究で教育効果と持続可能性に特に優れていると示唆された第5・6学年における全診療科共通日誌型eポートフォリオのプログラム評価を行い、教育効果と持続可能性を検証する。検証済みのeポートフォリオプログラムの詳細の仕様(電子システム・プログラム中身・運用体制)について、日本医学教育学会などを通して公開する。
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Causes of Carryover |
研究を1年間延長することに伴い、延長期間中に必要な使用額を繰り越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に行うeポートフォリオプログラム評価に伴う費用と学会発表に伴う費用に使用する。
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