2015 Fiscal Year Research-status Report
子宮頸部固有上皮型腺癌、胃腸型腺癌、前癌病変の病理診断基準と検査診断法の開発
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26460673
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| Research Institution | Shinshu University |
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Principal Investigator |
太田 浩良 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (50273107)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 子宮頸部腺癌 / 分葉状子宮頸部腺過形成 / LEGH |
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| Outline of Annual Research Achievements |
子宮頸部胃型腺系病変の診断には， HIK1083反応性ムチン（胃腺粘液細胞に発現するムチン）の免疫染色が有用であるが， HIK1083抗体では胃表層粘液細胞への分化は検出できない。本年度は子宮頸部胃型腺系病変におけるTFF1（胃表層粘液細胞に発現する蛋白）の免疫染色の有用性を検証した。【方法】LEGH16例，上皮内腺癌24例，浸潤性腺癌31例（通常型16例，粘液性腺癌15例）を対象に，TFF1とHIK1083反応性ムチンの発現を免疫染色により検討した。【結果】LEGH，上皮内腺癌，通常型腺癌，粘液性腺癌においてTFF1の発現頻度はそれぞれ、100/75/87.5/80%、HIK1083反応性ムチンの発現頻度は100/33.3/43.8/66.7%であった。群間におけるHIK1083陽性スコアに関しては、LEGHは上皮内癌および浸潤癌に比べ有意に高値であり（Mann-Whitney’s U test ，P<0.01 ），AIS, 浸潤癌（通常型），浸潤癌（粘液型）群間で有意差は見られなかった．群間におけるTFF1陽性スコアに関しては、LEGHは上皮内癌および浸潤癌（通常型）に比べ有意に高値であったが（P<0.01 ），AIS, 浸潤癌（通常型），浸潤癌（粘液型）群間で有意差は見られなかった．各群におけるTFF1陽性スコアとHIK1083陽性スコアの比較に関しては、AIS, 浸潤癌（通常型），浸潤癌（粘液型）群においてTFF1陽性スコアはHIK1083陽性スコアより優位に高値であった （Wilcoxon signed-rank test: P<0.05）．【まとめ】TFF1の免疫染色により、子宮頸部腺系病変における胃表層粘液細胞への分化が確認された。また、TFF1の免疫染色により子宮頸部胃型腺系病変が従来の報告よりも高頻度である可能性が示された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
１．子宮頸部LEGHおよび胃・腸型腺癌の免疫染色による組織診断マーカーが定まり、より客観的に亜分類を行うことが可能となった。
2.子宮頸部腺系病変においてTFF1が高頻度に発現していることが確認できた。
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| Strategy for Future Research Activity |
１．子宮頸部腺癌の症例収集を更に進め、子宮頸部腺癌の診断およびその亜型分類のより有用な病理組織診断マーカーの探索を継続する。
２．子宮頸部腺系病変におけるTFF2とTFF3の免疫組織化学的発現と発現細胞の免疫表現型との関係を検討し、子宮頸部分泌物中のTFF値測定による、子宮頸腺系病変の診断およびその亜型分類の可能性を検証する。
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| Causes of Carryover |
当初計画で見込んだよりも安価に研究が進んだため、次年度使用額が生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は平成28年度請求額と合わせて消耗品費として使用する。
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