2015 Fiscal Year Research-status Report
関節疾患におけるアシドーシス起因性疼痛と関節破壊のメカニズム
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26460698
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
池内 昌彦 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00372730)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 関節痛 / 酸感知機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節疾患でみられる関節内アシドーシスに注目し、酸感知機構をターゲットにした関節疾患の新規治療法の開発を目指している。昨年度、ラットを用いpH4.0の酸を関節内に繰り返し投与することによって関節内組織障害を伴わない持続性関節痛モデルを確立した。 本年度は、本モデルにおける痛みの発生機序を明らかにする目的で、関節内炎症性サイトカインの定量評価、脊髄後根神経節に発現する疼痛関連分子の定量評価、脊髄後角細胞およびグリア細胞にみられる変化を検討した。 カラゲナン惹起性の関節炎モデルとの比較において、本モデルでは炎症性サイトカインの発現は極めて微量であることを確認した。脊髄後根神経節における酸感知機構の免疫染色は、抗原賦活法を用いても定量評価できるに至らなかった。代わりに、single nerve recording法を用いて、酸投与によって感覚神経に電位が発生していることと酸感知機構(ASIC3)のブロッカー(APETX2)によって著明に抑制がかかることを観察した。脊髄後角の免疫染色では、後角細胞の転写因子リン酸化CREBの発現が両側性に増加し、グリア細胞の活性化も両側性に生じていた。 来年度は、再度別の抗原賦活法を用いて脊髄後根神経節の免疫染色を行い、脊髄レベルでの疼痛発生機序について薬理学的に検討予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脊髄後根神経節の免疫染色による酸感知機構の評価法が未確立のため
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Strategy for Future Research Activity |
再度別の抗原賦活法を用いて脊髄後根神経節の免疫染色を行い、脊髄レベルでの疼痛発生機序について薬理学的に検討を行う。
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Causes of Carryover |
免疫染色の遅れがあり、関節軟骨や滑膜の培養細胞を用いた研究が翌年度以後になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
免疫染色の新しい抗原賦活法を試みる。どうしても解決できない場合には、single nerve recordingで酸感知機構の機能をみることにする。
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