2015 Fiscal Year Research-status Report
東日本大震災後の受診行動が循環器疾患発症に及ぼす影響に関する大規模コホート研究
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26460776
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
丹野 高三 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (20327026)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 循環器・高血圧 / コホート研究 / 受療行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では岩手県北・沿岸地域住民を対象とした大規模コホート研究(岩手県北地域コホート研究)のデータを基盤として、東日本大震災・津波生存者の震災前後のレセプトデータを収集することで、被災後の受診頻度の変化を明らかにし、震災前後の受診頻度の変化が震災後の循環器疾患発症及び死亡リスクに及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。 平成27年度は、1)平成26年度に行った追跡調査(死因調査、循環器疾患発症調査、介護認定情報調査)のデータ編集、及び、2)久慈地域(沿岸被災地域)の住民異動調査、二戸地域(内陸地域)と久慈地域の介護認定情報調査を行った。また全対象地域の循環器疾患発症調査を実施した。 1)の結果、2011年3月時点で生存している対象者数は24,805人、総観察人年は220,487人年、平均観察期間は9.1年であった。2011年4月(震災翌月)から2012年12月までの死亡数(死亡率)は622人(1000人年対2.8)、脳卒中発症数(発症率)は998人(1000人年対4.6)、心筋梗塞発症数(発症率)は124人(1000人年対0.56)であった。2)については現在、収集されたアウトカムデータを統計解析に用いることができるように編集を行っているところである。 一方、診療報酬明細情報の収集は平成23年2月まで終了しているが、震災以降の情報収集は未着手であり、震災後の受診頻度の変化を明らかにするに至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は本研究の基盤となる岩手県北地域コホート研究の追跡調査のうち、住民異動調査、循環器疾患発症調査、及び介護認定情報調査を行った。これによって本コホート研究の追跡期間は平成26年12月31日まで延長され、平均追跡期間は約10年となった。また平成26年度に収集した死因情報、循環器疾患発症情報、及び介護認定情報のデータ編集作業を行った。平成26年度及び平成27年度に実施した追跡調査によって、本研究の目的である震災後の循環器疾患発症及び死亡リスクの検証を行うための基盤が構築されたと考えられる。 一方、診療報酬明細情報の収集については、前述の追跡調査及び追跡調査データの編集作業を主として御恋なっていたため、十分に進捗したとは言えない。 したがって、全体として研究目的の達成度を「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度及び平成27年度の追跡調査の実施によって、岩手県北地域コホート研究の追跡期間は平成26年12月31日まで延長された。今後も追跡調査を継続するとともに、現在までに集められたアウトカム(死亡、死因、循環器疾患発症、介護認定情報)のデータを統計解析に用いることができるよう、データ編集を行う。 また曝露要因として設定している震災後の受療頻度に関するデータ(診療報酬明細情報)の収集を行う。
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Causes of Carryover |
平成27年度に予定していた診療報酬明細情報収集の進捗が十分ではなかったこと、及び成果公表として国外学会を計画していたが、これを実施しなかったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に実施できなかった診療報酬明細情報収集、及び国外学会での成果公表の費用として用いる。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Low-grade albuminuria and incidence of cardiovascular disease and all-cause mortality in nondiabetic and normotensive individuals.2016
Author(s)
Tanaka F, Komi R, Makita S, Onoda T, Tanno K, Ohsawa M, Itai K, Sakata K,Omama S, Yoshida Y, Ogasawara K, Ishibashi Y, Kuribayashi T, Okayama A, Nakamura M; Iwate-Kenco Study Group.
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Journal Title
J Hypertens.
Volume: 34
Pages: 506-12
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Adjustment of Cell-Type Composition Minimizes Systematic Bias in Blood DNA Methylation Profiles Derived by DNA Collection Protocols.2016
Author(s)
Shiwa Y, Hachiya T, Furukawa R, Ohmomo H, Ono K, Kudo H, Hata J, Hozawa A, Iwasaki M, Matsuda K, Minegishi N, Satoh M, Tanno K, Yamaji T, Wakai K, Hitomi J, Kiyohara Y, Kubo M, Tanaka H, Tsugane S, Yamamoto M, Sobue K, Shimizu A.
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Journal Title
PLoS One.
Volume: 11
Pages: e0147519
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Standardized Prevalence Ratios for Atrial Fibrillation in Adult Dialysis Patients in Japan.2016
Author(s)
Ohsawa M, Tanno K, Okamura T, Yonekura Y, Kato K, Fujishima Y, Obara W, Abe T, Itai K, Ogasawara K, Omama S, Turin TC, Miyamatsu N, Ishibashi Y, Morino Y, Itoh T, Onoda T, Kuribayashi T, Makita S, Yoshida Y, Nakamura M, Tanaka F, Ohta M, Sakata K, Okayama A.
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Journal Title
J Epidemiol.
Volume: 26
Pages: 272-6
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Relative and absolute risks of all-cause and cause-specific deaths attributable to atrial fibrillation in middle-aged and elderly community dwellers.2015
Author(s)
Ohsawa M, Okamura T, Ogasawara K, Ogawa A, Fujioka T, Tanno K, Yonekura Y, Omama S, Turin TC, Itai K, Ishibashi Y, Morino Y, Itoh T, Miyamatsu N, Onoda T, Kuribayashi T, Makita S, Yoshida Y, Nakamura M, Tanaka F, Ohta M, Sakata K, Okayama A.
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Journal Title
Int J Cardiol.
Volume: 184
Pages: 692-8
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 慢性腎臓病が死亡・心筋梗塞発症・脳卒中発症・末期腎不全発症に与える影響について 岩手県北コホート研究5年間の前向き調査結果2015
Author(s)
大澤 正樹, 藤岡 知昭, 岩動 孝, 小原 航, 大森 聡, 小笠原 邦昭, 中村 元行, 丹野 高三, 大間々 真一, 石橋 靖宏, 蒔田 真司, 小野田 敏行, 岡山 明
Organizer
第51回日本循環器病予防学会
Place of Presentation
大阪市
Year and Date
2015-06-26 – 2015-06-27
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[Presentation] 岩手県被災地域住民の随時尿中ナトリウム/カリウム濃度比 東北メディカル・メガバンク地域住民コホート研究ベースライン調査2015
Author(s)
丹野 高三, 佐々木 亮平, 坂田 清美, 寳澤 篤, 栗山 進一, 辻 一郎, 遠藤 龍人, 小林 誠一郎, 八谷 剛史, 佐藤 衛, 小笠原 邦昭, 中村 元行, 人見 次郎, 祖父江 憲治
Organizer
第51回日本循環器病予防学会
Place of Presentation
大阪市
Year and Date
2015-06-26 – 2015-06-27