2014 Fiscal Year Research-status Report
長期・連続・自動生体情報記録による疾患別遠隔予防・治療システムの臨床効果の研究
Project/Area Number |
26460787
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
木村 穣 関西医科大学, 医学部, 教授 (60298859)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / 生体モニター / ウエアラブルセンサー / 遠隔支援 / 行動変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
長期・連続・自動生体情報記録による疾患別行動変容支援システムの構築および臨床効果の研究 生活習慣病治療の行動変容で現在最も信頼性の高い手法は認知行動療法である。そのためには歩数、体重等のセルフモニタリングデータの自動記録、栄養士、運動士などの多職種の介入者のデータ共有が重要である。最近のICTの発達によりデータのクラウド化(一元化)は実現したが、これら在宅データの測定頻度、指導回数、期間等の費用対効果からみた検証、また日常生体活動記録の長期連続データによる生活習慣病発症予測、治療効果の研究は未だなされていない。そこで本研究では、長期・連続在宅自動活動記録による認知行動療法を用いた疾患管理システムの標準化(頻度、期間等)および費用対効果を検証することを目的とする。 現在まで82名が登録され、生体センサーによる遠隔指導群35名、対照群42例、脱落例5例である。内訳は、肥満患者74例、心筋梗塞患者8例である。在宅生体センサーとして、血圧計、体重計、歩数計のいずれかまたは複数使用した。各機器は測定後に自動的にサーバーに転送記録される。指導開始時にTEG(東大式エゴグラム)による交流分析を行い、性格特性を評価した。指導者は認知行動療法に基づく指導法をあらかじめ教育された管理栄養士、健康運動指導士、医師とし、介入開始時に、対象者と面接方式で生活習慣病に対する行動目標を設定する。その後、在宅センサーによる記録を解析し、健康科学センター受診時のその結果を参考にアドバイスしたり、希望者には定期的にメールによる支援メールを配信し、その効果を検証中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
登録者数が82名、センサー群がやや少ないが4例脱落がありその分少なくなっている。登録数全体のペースもやや低下しており、今後も引き続き登録を行っていく予定である。データ解析としては、一次評価項目としての体重、歩数、血圧(外来血圧・家庭血圧)、行動変容ステージ等の解析、評価は概ね順調である。 本研究の目的の一つである生活習慣病危険因子としての各種サイトカインの検証については、マイオカインを中心とした新しい指標を中心に検討がなされており、従来の体脂肪を中心とした生活習慣病の危険因子の評価から、さらに筋肉由来の危険(改善)因子の評価を含めた検証を行っており興味深い結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
二次評価項目としての体重、歩数、血圧の変化量の詳細解析、すなわち1日毎の変化量、3日後と、1週間、1ヶ月、3ヶ月毎の変化量より、申請者らが開発した行動変容変化指数を算出についてさらなる解析を行う。介入前に施行した性格特性と在宅測定状況、体重、歩数の変化、生活習慣病危険因子の改善程度との関連を検討する。同時記録されている、体重の変化量と血圧変動量の関係、毎日の歩数、またその平均値と血圧の関係、他の生活習慣病の疾患別家庭血圧の評価を行う。 最終的に、性格特性および在宅生体情報に応じた認知行動療法的支援方法を検討し、どのような性格特性を有する患者に、在宅生体センサーを用いた生活習慣病指導が可能か予測、推定式を算出し、我が国の保健指導、生活習慣病患者指導の標準化を目標とする。
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Causes of Carryover |
消耗品の使用が一部計画が次年度となり残りました。今年度の研究の消耗品として使用予定です。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
血清サイトカインのキット購入の一部として使用
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Research Products
(6 results)