2015 Fiscal Year Research-status Report
思春期のソーシャル・スキルに影響する胎児期及び幼児期の環境要因に関する検討
Project/Area Number |
26460830
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
篠原 亮次 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (00633116)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 然太朗 山梨大学, 総合研究部, 教授 (10210337)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ソーシャル・スキル / 出生コホート / マルチレベルモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1988年より20年以上に及ぶ胎児期から思春期の出生コホート研究(母子保健縦断調査)を基盤として、学童期・思春期における「ソーシャル・スキル」に影響する胎児期及び幼児期の環境要因を明らかにすることを目的とする。 胎児期から乳児期、さらに学童期・思春期におよぶ追跡研究は国際的にも数少ないことから、本研究における子どもを対象とした出生コホートデータは国内外において非常に貴重なデータである。特に、母親の生活習慣を含む胎児の暴露環境と後の子どものソーシャル・スキルとの関連を検討する点で独創的である。また、これらの成果を蓄積していくことは母子や思春期保健における支援方法に対し科学的根拠を提供する点で重要であり、かつ意義深い。 平成27年度の計画に関して、現在行われている母子保健縦断調査を継続し、さらに思春期においての既存調査で使用している「思春期の心身の健康と生活習慣に関する調査」および年2回自治体と市中の小学校・中学校の協力により実施しているhyper-QUテストのソーシャル・スキル調査データを得ることとなっている。調査実施及びデータ収集に関しては、母子縦断調査データ及び思春期調査データを得た。また、各経年データのリンケージ作業、学会や自治体で実施されているhyper-QUテストの講習会への参加など、学童期・思春期保健に関する情報収集を行った。さらに、すでに収集されている平成23年から25年度までのソーシャル・スキルデータ(hyper-QUテストのデータ)の基礎解析を実施し、時系列多変量解析(マルチレベル解析など)のモデル構築の検討を継続実施している。 一方、平成26年度と平成27年度のソーシャル・スキル調査(hyper-QUテスト)データの取得は、現在、教育委員会と調整中でありデータ取得に至っていない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、研究目的に対し以下3点の実施計画を予定した。 1.思春期(小学4年~中学3年)のソーシャル・スキル評価(hyper-QUテストにて評価) 2.胎児期(妊婦)から乳児期に収集した生活習慣や育児環境などの変数と学童期・思春期のソーシャル・スキルに関する収集変数のリンケージデータを一般化線形混合モデル解析(マルチレベルモデル分析)およびグラフィカルモデリングにて評価 3.母子保健・思春期保健分野に実装可能なソーシャル・スキル発達支援への活用提案及び学会・ホームページ等による情報発信 平成27年度は、上記1及び上記2の基礎解析と多変量解析を主に予定していたが、ソーシャル・スキル調査(hyper-QUテスト)データの取得について、現在、教育委員会と調整中であり、新データの取得を継続的に申請している。しかし、平成23年度から25年度までに得られているソーシャル・スキルデータによるデータリンケージや基礎解析、多変量解析は実施できており、おおむね順調に進展していると自己評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、母子保健長期縦断調査を継続し、さらに前年同様、思春期の心身の健康に関する調査およびソーシャル・スキルの評価を実施し、必要なデータを得る。また、時系列データとして収集予定の学童期・思春期のソーシャル・スキルデータを時系列多変量解析モデルにて、学童期・思春期のソーシャル・スキルに対する胎児期から乳児期にかけての環境要因の影響について引き続き解析・評価する。 また得られた結果は、学会などで情報収集した知見等を活用し、比較検討後、学会発表、論文投稿などを行う予定である。
|
Causes of Carryover |
海外での学会発表予定を次年度に変更したため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外での学会発表・研究関連の情報収集を行う予定である。
|