2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the methods for detection of diatoms utilizing silica binding abilities of DNA and proteins
Project/Area Number |
26460882
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
瀬尾 泰久 大分大学, 医学部, 助教 (80187830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 哲子 大分大学, 医学部, 教授 (50136793)
内田 智久 大分大学, 医学部, 助教 (70381035)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 溺死 / 珪藻 / プランクトン検査 / ストレプトアビジン / 酵素染色 / スリレラ属 |
Outline of Annual Research Achievements |
ペルオキシダーゼ標識したストレプトアビジンやIgGの一部に、ガラス質と非特異的に吸着する特性をもつものがあることを確認した。また、これらのうちのごく一部、約0.0004%程度がガラス質へ非特異的に吸着するものと推測された。実際に溺死した死体の臓器を使って壊機を行った試料について本染色法を適用した。その結果、珪藻被殻の検出が容易になり、溺死診断までの時間が大幅に短縮された。 しかし、溺死診断までの過程において、臓器壊機後、遠心による洗浄操作により、珪藻被殻の大幅な損失が生じているのではないかとの疑問が生じた。そこで、あらかじめ一定数の珪藻被殻を添加した壊機法のモデルサンプルを使って、各操作過程を検証したところ、それぞれの遠心操作により約20%の珪藻被殻が損失し、最終的に約80%、全体の約20%の珪藻被殻しか残存、検出されていないことが明らかとなった。このことは、例え本研究で珪藻被殻の染色法が完成したとしても、現行の溺死診断に改善はみられない事を示している。そこで壊機法の操作手順を見直して、溺死した際に臓器中に滞留する珪藻を確実に回収する方法を検討する必要性の方が優先するものと結論された。現在、壊機法の操作手法を改良し、各臓器中に存在する珪藻被殻を確実に回収する方法の開発を試みている。 本研究期間に溺死対照試料水から発見された新種珪藻について、論文投稿に至った。その後の研究により、この新種珪藻が大分県内の全く異なる水系からも確認され、生息域の拡大が判明した。現在、それぞれの水系から発見された本珪藻の遺伝的多様性について、比較検討を進めている。
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