2015 Fiscal Year Research-status Report
多臓器DNAマイクロアレイデータの相関分析による低体温症における臓器間関連検索
Project/Area Number |
26460884
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
高宮 正隆 岩手医科大学, 医学部, 講師 (30364334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三枝 聖 岩手医科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (30398490)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 低体温症 / DNA microarray法 / 定量PCR法 / 免疫染色法 / 相関分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
[目的・方法] 低体温症バイオマーカーの検索と同定、診断法の構築、全身反応の解析を目的とする。具体的には低体温症例について諸臓器の網羅的遺伝子発現解析を行い、各臓器ごとに低体温症マーカーを抽出する。また各臓器の網羅的遺伝子発現データを相関分析で統合することにより、低体温症における諸臓器の関連を解析し、低体温症の全身反応を明らかにする。これまでにマウス低体温症モデルを導入し、左心室心筋、腎臓、肝臓、肺臓のトランスクリプトーム解析をDNAmicroarray法を用いて行った。また左心室心筋に関しては定量PCR法を用いて遺伝子発現の再現性確認を行うと共に、免疫染色を施行し鑑定法の構築を試みた。 [結果] 左心室心筋では有意差を持って発現変動していた遺伝子は3438個であり、1704個は有意に発現が上昇しており、1734個は有意に発現が減少していた。具体的には、最も発現が上昇していた遺伝子は granzyme Aで、最も発現が減少していた遺伝子は solute carrier family 41, member 3であった。さらに遺伝子セット解析を行ったところ、有意に変動している遺伝子セットが79個が確認され、57個は有意に発現が上昇しており、22個は有意に発現が減少していた。またgranzyme A関連のパスウエイが低体温症の発症に関与していることが示唆された。免疫染色ではgranzyme Aの弱陽性像を認めた。腎臓、肝臓、肺臓に関してはDNA microarrayデータ解析は、ほぼ完了しており、定量PCR法を用いた遺伝子発現の再現性確認を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
低体温症における副腎のDNA microarrayデータは本研究課題施行前に得られており、これと本研究により得られる心臓、腎臓、肝臓、肺のDNA microarrayデータを統合し、2015年末までに低体温症における諸臓器の関連を解析し、低体温症の全身反応を明らかにする予定であった。本解析には相関分析を導入し、全身反応の解析を進めているが、相関分析が難解な理論に基づいており、進捗は若干、遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
腎臓、肝臓、肺に関しては定量PCR法を用いて低体温症における遺伝子発現の再現性確認を行うと共に、免疫染色を施行し鑑定法の構築を試みる。さらに副腎、心臓、腎臓、肝臓、肺のDNA microarrayデータを相関分析を用いて統合し、低体温症における諸臓器の関連を解析し、低体温症の全身反応を明らかにする。
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Causes of Carryover |
相関分析に700,000円程度を要する予定であったが、解析が遅れたため、支払いが発生せず、翌年度に繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は相関分析を進める予定で、本解析を中心に、また定量PCR法、免疫染色法にも繰り越し予算を使用する。
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Research Products
(2 results)