2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on renal sympathetic denervation to modulate the nocturnal sympathetic tone in rats with myocardial infarction
Project/Area Number |
26461057
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
平井 忠和 富山大学, 附属病院, 講師 (10303215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 博 富山大学, 事務局, 名誉教授 (60151619)
城宝 秀司 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 講師 (90334721)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腎交感神経 / 心不全 / 腎除神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全における交感神経機能の賦活が心不全の進展増悪に関与していることがわかっているが自律神経機能には日内リズムがあり、腎除神経の交感神経機能の日内リズムにおよぼす影響については不明であった。前年度までの研究で心不全モデルラットでは早朝覚醒時に一過性の交感神経機能の過剰亢進が認められ、この背景に中枢性化学反射感受性の亢進が存在することがわかった。この中枢性化学反射感受性の亢進は、外科的に腎交感神経を除神経することにより是正され、心不全モデルラットにおける交感神経機能賦活が改善することがわかった。今回、心筋梗塞ラットの心不全進展増悪過程において、腎除神経の治療介入時期について検討した。心筋梗塞後2週後および4週後に腎除神経を施行し腎除神経を施行しない心筋梗塞ラットと比較した。腎除神経を施行しない心筋梗塞ラットの慢性心不全期の左室拡張末期圧は17.5±11.6(SD)mmHgと高く、血中BNP値も高値であった。心筋梗塞後2週後に腎除神経を施行したラットでは左室拡張末期圧は12.0±3.5(SD)mmHgと、腎除神経を施行しない心筋梗塞ラットより低下していたが、心筋梗塞後4週間後に腎除神経を施行したラットでは有意差はなかった。 無拘束・自由行動下のラットで大動脈圧を記録し、拡張期圧波形のスペクトル解析から得られる交感神経機能(LFdp)を評価した。腎除神経未施行ラットの早朝覚醒時LFdpは1,996±85(SE)mmHg2と亢進していたが、心筋梗塞2週後に腎除神経を施行したラットではLFdp1,411±141(SE)mmHg2と低下傾向を認めた。またこの改善効果は心筋梗塞4週後に腎除神経を施行したラットでは認めなかった。以上のことから腎除神経の交感神経機能におよぼす影響は心不全の進展過程によって異なり、腎除神経による介入時期には至適時期があることが示唆された。
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