2016 Fiscal Year Research-status Report
大津波災害が急性循環器疾患の発症に与える長期的影響とその対策に関する研究
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26461082
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
中村 元行 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40172449)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 災害 / 津波 / 地震 / 心筋梗塞 / 突然死 / 心不全 / 死亡 / 発症 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】2011年の東日本大震災では、地震の直接被害より、津波による被害が大きいのが特徴である。本津波災害後にどのような循環器疾患がどの程度増減したかについて長期にわたる悉皆性の高い研究は殆どみられない。岩手県の被災地等において、発災後の4年間(2011-2015)でうっ血性心不全、心筋梗塞、突然死の発症状況を明らかにする。【方法】研究対象地域は岩手県沿岸地域と一部内陸地域で、人口は約34万人(2010年)であり、高齢化率が高く(32%)、人口の異動は比較的少ない地域である。今年度は2014年度を追加調査を実施した。研究対象地域の全病院において研究期間内の心不全(フラミンガム定義)、心筋梗塞・突然死(WHO-MONICA定義の非致死心筋梗塞確定例+致死性心筋梗塞確定例+致死性心筋梗塞可能例)の発症を登録した。津波被害が大きい大被害地域と少ない小被害地域に分けて検討した。発災前(2009~2010年)と比較して発災年の2011年以降2014年までの各地域の標準化発症比(SIR)を明らかにした。【結果】心不全の発症は大被害地域では、2011年 SIRは1.67でその後も継続して高い値(1.2-1.6)であることが明らかとなった。一方、小被害地域ではそのような増加はなかった。また一方、心筋梗塞(非突然死)は津波被害の大小にかかわらず明らかな増減はみられなかったが致死性心筋梗塞は大被害地域では2011年にSIR 1.79と増加し、その後も高い値であることが明らかとなった(2012 = 2.1; 2013 = 2.0;2007=2.1)。小被害地域では、このような突然死の増加は明らかではない。 【まとめ】発災後4年を経ても津波被害の大きかった地域では心不全および致死性心筋梗塞の発症率が発災前の1.5-2.0倍となっている。さらに、追跡期間を2015年まで延ばして研究を継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心不全、心筋梗塞、突然死の調査について当該地域の病院や保健所の協力を受けて調査は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度と同様に調査を継続し、各種疾患の発症状況を明らかにしてゆく。
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Causes of Carryover |
人件費を翌年度(29年度)予算にまわしたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
人件費で使用予定
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Research Products
(18 results)