2014 Fiscal Year Research-status Report
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26461089
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
松下 訓 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20407315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 庸 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00277815)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心筋転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
雄性のGFP遺伝子を導入されたC57/BL6 [Tg-GFP]ラットを用いた。深麻酔下で心臓を摘出後、大動脈より逆行性にヘパリン加生理食塩水を注入し、心臓をよく洗浄した。灌流後、それぞれの心房を切離し高カリウムの心筋保護液(ミオテクター)内にいれ、研究室に移送した。この心房組織をクリーンベンチ内でさらに0.5mm角に細かく刻み0.05%トリプシンで5分間処理を行った。刻んだ組織をフィブロネクチンコートした10cm培養ディッシュに約1cm間隔で置いていきexplant法にて培養を開始した。、コンフルエントになるまで約3週間続けて培養する。このexplantから得られたOutgrowth細胞をFACSを用いて解析したところc-Kit陽性細胞(心筋幹細胞:cardiac stem cells: CSCs)は約7%であった。 次いで標的遺伝子を同定するため、C57雄性ラットの冠動脈を結紮し、心筋梗塞を作成した。心筋梗塞作成後1,2,3,7日後にそれぞれ心筋梗塞周囲巣の組織を摘出し、mRNAを抽出した。心臓転写因子の発現を、シャム手術群と比較したところいくつかの遺伝子の大きな変化を確認できた。現在これらの遺伝子を細胞に導入すべく準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で使用する細胞は、すでに準備されているが、これまでのところ導入する遺伝子は2種類とも増幅できていない状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、DNAテンプレートをより胎生期遺伝子が含まれる幼若ラットに変更するとともに、プライマーの再設計及び条件設定を行っている。いったん遺伝子が導入されれば、細胞および心筋梗塞モデルの作成方法は確立しているためin vitro、in vivoとも特に障害なく進むものと考えている。導入されたのちは導入効率の確認のため、ウェスタンブロット法およびPCR法を行う。最適なTiterを決定した後、これらを細胞に導入する。心筋幹細胞をさらに1回継代した後、フィブロネクチンコートされた6wellのディッシュ上にうつす。この細胞にそれぞれ遺伝子を1ないしは複数導入し最適の導入効率を検証する。遺伝子導入後それぞれ3日後、7日後に細胞を4%パラホルムアルデヒド(PFA)で固定し、免疫組織学的資料とするとともに、細胞を用手的に剥離、RT-PCR用およびWB用試料とし、以下の項目を検討する。細胞増殖能の指標としては細胞数をカウント、抗Ki67抗体を用いて陽性細胞率を定量する。また細胞の分化能の確認のためトロポニンT、αMHC、SMA、VEGF、VE-Cadherinの発現をそれぞれ確認する予定である。
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Causes of Carryover |
遺伝子導入がまだ成功していないため、次のステップである動物実験の購入費用が浮いてしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遺伝子導入が出来れば動物を購入し、心筋梗塞モデルを作成、導入による効果を検討する計画である。
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