2015 Fiscal Year Research-status Report
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26461089
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
松下 訓 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20407315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 庸 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00277815)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 胎生期心臓転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は手術時に切離されるヒト心房筋組織を用いて、そこに含まれる胎生期特異的心臓転写因子のmRNA量を測定、疾患背景や心筋傷害などによってそれらの転写因子の活性に変化が認められるかを検証した。319例を対象に虚血性心疾患(IHD)と非虚血性(NIHD)に分類、それぞれの群における転写因子の発現を比較した。IHDは102例、NIHD 217例であった。女性の割合はIHDが12%に対し、NIHDが40%とNIHDで有意に多かった。心機能はLVDd、LVDs、LVEFともに差を認めなかった。術前NYHAに差はなく、血清BNP値はIHD:227.1 pg/mL、NIHD:163.7 pg/mLとNIHDで高い傾向が認められたも野の有意差は認めなかった。またIHD群で糖尿病、脂質異常症、高血圧が有意に多く合併しておりスタチンおよびカルシウム拮抗薬の内服も多かった。ベータブロッカーおよびARBの内服の割合に有意差は認めなかった。 組織解析ではIHDでそれぞれGATA4、ISL1、HAND1, MEF2c、TBX18、TBX20の発現が有意にもしくは減少している傾向が認められた。一方でアポトーシス関連因子であるCASP3はNIHDで有意に高く、さらに炎症性サイトカインのうちIL-6の発現がNIHDで有意に高値であった。TNFα、IL-1βの発現に差は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
培養した心房筋由来細胞に遺伝子を導入する予定であるが導入効率が良くなく、現在改善策を模索している。また、実際のヒト組織にどの程度転写因子が含まれているか、患者背景によってどのような差異があるかの検討を先に行った。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト組織の解析により疾患背景と発現遺伝子の関連性が明らかになりつつある。現在、虚血心疾患モデルマウスを用いて発現遺伝子を計測しており、心機能の指標およびその他の組織解析と合わせて履行している。 また同時に遺伝子導入の方法をウィルスを使用する方法から物理的に導入する方法を共同研究者とともに模索中である。
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Causes of Carryover |
遺伝子導入効率が良くなく、細胞レベルの実験が続いており、次のステップである動物実験の購入費用が浮いてしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
導入方法を変え、成功すれば速やかに動物モデルに進み導入による効果を検討する予定である
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