2015 Fiscal Year Research-status Report
心膜脂肪組織における細胞性免疫異常と冠動脈粥状硬化
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26461111
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 秀也 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 准教授 (70335678)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | IgG4 / 心膜脂肪 / 血管新生 / 動脈周囲炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)IgG4関連疾患における血管合併症の頻度および炎症性血液マーカーについての関連性を明らかにした。 当施設で血清IgG4値を測定したデータベースより、63例のIgG4関連疾患を抽出し、血管合併症の有無と臨床診断、血液検査、治療内容等を比較検討した。IgG4関連疾患に特有な血管周囲炎は15例(24%)に認めた。血管周囲炎を有する群では血清CRP値とIgG4値が有意に高値であったことから、血管周囲炎の検出への有用性が示された。また、血管周囲炎群では、同時に粥状硬化病変を多く合併していた。粥状硬化病変が血管周囲炎の発症契機となりえるという報告を支持する結果と考えられる。さらにステロイド治療例10例のうち4例で動脈瘤の増大または破裂を認めステロイド治療による増悪の警鐘となった。 (2)冠動脈バイパス手術および心臓弁膜手術のため開心術を施行される患者から心膜脂肪組織の一部を採取し、マクロファージージ表面マーカー(CD68)、および血管内皮細胞表面マーカー(CD31)の免疫組織学的検査を行い、上記についての検討を行った。CD68+細胞、CD31+細胞は冠動脈石灰化スコア中程度群(スコア100-400)において、また、非石灰化プラークを有する群において高頻度に認められた。以上から心膜脂肪組織における炎症および血管新生が冠動脈粥状硬化病変の進展との関連性を有することが示唆された。 (3)冠動脈CTを施行しカルシウム沈着を認めなかった連続352例を対象として,心膜脂肪(EAT)量および腹部内臓脂肪(VAT)面積と冠動脈プラークとの関連について検討した。非石灰化プラーク(NCP)は102例(29%),有意狭窄は15例(4%)に認めた。EAT量とVAT面積を男女それぞれの中間値から4群に分けたところ,VAT面積低値でもEAT量高値であればNCPを高率に認めた。同様にEAT高値は非メタボリック症候群,非肥満(BMI低値)においてもそのリスクを上昇させることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
心膜脂肪組織におけるIgG4の免疫染色が行えていない。
冠動脈疾患患者における細胞性免疫異常についてリンパ球分画の検索を行う予定であったが、手技上の代から臨床研究を見直すことになり進展していない。
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Strategy for Future Research Activity |
心膜脂肪組織におけるIgG4の免疫染色が行えていない。心膜脂肪組織より免疫組織学的検討を行っていく予定である。
IgG4関連疾患における血管病変のリスクを明からにした。本臨床研究を論文報告する予定である。
患者リンパ球のFACSの問題や限界もあり、新たな血清マーカーの検索より炎症と動脈硬化の関連性を探索してく予定である。
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Causes of Carryover |
基礎研究が進行していないため,試薬等の購入費が無かったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度に血液検体を採取し血清マーカーの測定を行う。免疫組織学的検査を行うことで試薬購入にあてる。
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[Journal Article] Risk Factors for Progression of Degenerative Aortic Valve Disease in the Japanese: The Japanese Aortic Stenosis Study (JASS) Prospective Analysis. Aug 25;.2015
Author(s)
Yamamoto K, Yamamoto H, Takeuchi M, Kisanuki A, Akasaka T, Ohte N, Hirano Y, Yoshida K, Nakatani S, Takeda Y, Sozu T, Masuyama T.
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Journal Title
Circ J.
Volume: 79
Pages: :2050-7
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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