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2015 Fiscal Year Research-status Report

心臓マクロファージによる不整脈発症機序の解明と治療法開発

Research Project

Project/Area Number 26461125
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

藤生 克仁  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30422306)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsマクロファージ / 不整脈 / 心臓
Outline of Annual Research Achievements

房室ブロックは致死性不整脈であるが、現在では恒久的ペースメーカーの存在のため、一度発症すると、房室ブロック自体を治療するという概念が現在では存在しないが、ペースメーカーは特に心機能の低下した患者では心臓本来の動きを完全に取り戻すものではなく、房室ブロックの発症機序、新規治療標的に検索は必要である。
マウスに対してクロドロネードで処理を行い、心臓マクロファージの機能を低下させると、無刺激では正常に心臓は機能し、不整脈も生じないが、右心系負荷を加えると完全房室ブロックを発症し、突然死することを見出しているが、この機序について詳細に解析することを目的し、不整脈の新たな治療標的を発見することを目的としている。
本研究計画では、心臓マクロファージから分泌される因子、または心臓マクロファージとの接触によって心筋細胞の興奮伝播が促進されることを仮説とし、その因子の同定を試みた。結果、クロドロネート処理をしたマウスでは因子Aが低下していることが明らかとなり、この因子Aが直接的に心筋細胞間の興奮伝播を規定していることを明らかとした。さらに、心筋細胞の培養細胞系においても、同様の所見を確認し得た。さらに、心臓マクロファージ由来で、心筋細胞の因子Aを増加させる因子Bを同定し得た。因子Bの全身ノックアウトマウスは、右心系負荷の際に、完全房室ブロックを発症し、野性型マウスに比較して早期に死亡した。さらに、因子Bのノックアウトマウスの骨髄を正常マウスに骨髄移植し、骨髄系細胞のみをノックアウトしたマウスにおいても、骨髄因子Bノックアウトマウスは、右心系負荷の際に野性型に比較してやはり、早期に房室ブロック死亡した。このことから、心臓マクロファージを主とする骨髄系細胞の因子Bが心筋細胞の因子Aを増加させ、心筋細胞間の興奮伝播の恒常性の維持することによって、心筋細胞伝播が保たれていることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

予定通りに進行しており、本年度は論文を作製し、投稿し出版することを目的としている。

Strategy for Future Research Activity

今後、因子Bがどのように因子を増加させるのかについて、培養細胞レベルでシグナル伝達、制御する転写因子について詳細に検討を行う予定である。すでに次世代シーケンサーによって、因子Bの下流遺伝子で、因子Aの上流シグナルとなり得るものの候補を見出しており、これらの同定した因子群の役割について詳細に検討し、論文投稿時に詳細なデータとして加える予定である。
また、因子Bをマクロファージ特異的にノックアウトするために、因子Bfloxマウスを作製しており、このマウスの表現系について、検討を始める予定である。

Causes of Carryover

因子Bのfloxマウスを昨年度作製し、作出完了予定であったが、その作出が遅れ、今年度となってしまったため、昨年度支払い予定の金額を繰り越して支払うことになった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

繰り越した研究費は、因子Bのfloxマウスの作出関連に使用し、計画通りに実験を進め、今年度中に結果を報告する予定である。

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Published: 2017-01-06  

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