2014 Fiscal Year Research-status Report
細胞接着斑分子Hic-5を標的とした新たな動脈硬化性疾患治療戦略の構築
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26461149
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
金山 朱里 昭和大学, 医学部, 講師 (10338535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 章 昭和大学, 医学部, 教授 (70253721)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Hic-5 / 細胞接着斑 / 制御化合物探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
生活習慣病の中で脳梗塞、急性心筋梗塞など閉塞性血管障害は大きな比重を占めており、両者が解決すれば健康寿命は更に数年延びると期待されている。これら病態を含む動脈硬化性疾患の現行の治療法としては生活習慣の改善と脂質異常治療薬、降圧薬の使用が動脈硬化性疾患予防ガイドラインで制定されているものの、その原因や治療法はいまだ完全に解明されているわけではない。そこで本研究では細胞外環境変化が病変形成細胞に引き起こす変化に注目し細胞接着斑分子 Hic-5に着目した解析を行う。Hic-5 は血管平滑筋層や血小板に高発現する細胞接着斑アダプターで、この遺伝子はECM と細胞の接着点にある細胞接着斑タンパク質をコードし、同じLIMドメインファミリーに属するパキシリン(Paxillin)と高い相同性を示す。これまでにHic-5 ターゲティングマウスでは大動脈硬化病変面積や大動脈瘤発症モデルで病態が著しく改善されることを明らかにした。この結果を受けて平成26年度ApoE-/-マウスを用いて作製した大動脈硬化病変面積や、マウス大動脈瘤モデルや大動脈解離モデルの病変を有するマウスに、hic-5 / siRNA Hic-5を用いて、既存動脈瘤の進行停止や退縮・消失の可能性について検討するための条件検討が完了した。またHic-5の発現や機能抑制ツールは現在 siRNAのみであったので、結合因子やアミノ酸配列を利用して阻害ペプチドの設計を行った。Hic-5阻害効果の評価系も複数の候補が見つかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度はおおむねに計画通りに進んでおり、既存病変の進行停止や退縮・消失の可能性について検討するための条件検討が完了した。またHic-5の阻害ペプチドの設計が完成し、その評価系の確立など予定通りのペースで進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
Hic-5発現抑制による既存病変抑制効果評価を目的とし、マウス大動脈瘤モデルや動脈硬化モデルに、hic-5 / siRNA Hic-5を用いて既存動脈瘤や硬化病変の進行停止や退縮・消失の可能性について引き続き検討を行う。さらにHic-5 機能阻害ペプチドの確立および制御化合物の探索を行い、阻害効果が確認できたペプチドや化合物を用いて、上記の既存病変抑制効果を評価する。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Role of Hic-5 in the formation of microvilli-like structures and the monocyte-endothelial interaction that accelerates atherosclerosis.2015
Author(s)
Arita-Okubo S, Kim-Kaneyama JR, Lei XF, Fu WG, Ohnishi K, Takeya M, Miyauchi A, Honda H, Itabe H, Miyazaki T, Miyazaki A.
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Journal Title
Cardiovasc Res.
Volume: 105(3)
Pages: 361-71
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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