2014 Fiscal Year Research-status Report
緑膿菌性肺感染症の新しい制御戦略-抗原刺激成熟樹状細胞の移入によるワクチン開発
Project/Area Number |
26461163
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
門田 淳一 大分大学, 医学部, 教授 (50233838)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 和史 大分大学, 医学部, 准教授 (80301381)
橋永 一彦 大分大学, 医学部, 大学院生 (80649773)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 緑膿菌 / 線毛 / 樹状細胞 / ワクチン / 呼吸器感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの検討(基盤(C)平成23~25年度「新たな緑膿菌感染症の予防戦略-線毛の断片化ペプチドによるワクチンの開発」)で用いていたマウス骨髄由来樹状細胞(JawsⅡ細胞)に代わり、本研究ではマウスの大腿骨から採取した骨髄細胞を顆粒球マクロファージコロニー刺激因子で刺激し、樹状細胞を得ることとしている。現在、Balb/cマウスの大腿骨から骨髄細胞を採取し、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子と共に培養することで、樹状細胞へと分化させる実験の準備を行っている。 さらに従来から使用していたJawsⅡ細胞を用いて、in vitroで緑膿菌線毛蛋白や線毛蛋白ペプチド刺激後のマウスへの細胞投与実験を同時に行うため、新たにJawsⅡ細胞を購入し、培養を行った。また以前の検討で緑膿菌線毛蛋白ペプチド6(TFQTGTSSPKNATKVITLNR)は、JawsⅡ細胞からの炎症性サイトカイン産生を誘導し、同ペプチドで刺激したJawsⅡ細胞とマウス脾臓より分離したナイーブT細胞との共培養で、ナイーブT細胞の活性化を認めていた。この緑膿菌線毛蛋白ペプチド6を樹状細胞抗原刺激物質として用いるため、その合成を行った。 陽性コントロールとして用いる緑膿菌線毛蛋白の精製を行っているが、ショ糖濃度勾配超遠心やSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い精製しても、少量の緑膿菌のLPSが混入してしまうため、エンドトキシン除去カラムを用いてLPSの除去を行っている。このカラムを通すことで、LPSは著しく減少し、ほぼ検出限界以下の濃度となるが、線毛蛋白の喪失も多く、in vitroでの樹状細胞刺激に用いる線毛蛋白量を確保すべく精製を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ペプチドの合成や樹状細胞の樹立、採取に向けた準備は順調に進んでいる。またJawsⅡ細胞も購入後、順調に発育し、実験に用いる準備は整ってきている。 一方で、刺激抗原の陽性コントロールとなる緑膿菌線毛蛋白の精製が遅れている。線毛蛋白は数mgが必要となる可能性があり、大量に精製する必要があるが、その量が現在のところ十分ではないため、全体の評価として「やや遅れている」とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
緑膿菌線毛蛋白の精製を引き続き行う。並行してマウス大腿骨骨髄液からの樹状細胞の樹立を進める。ペプチド及び線毛蛋白刺激樹状細胞の投与による急性緑膿菌感染モデルを用いた感染制御の効果の検討は平成26年度に実施予定であったが、平成27年度前半を目処に実施し、その後、樹状細胞ワクチンの効果の持続期間の検討や慢性気道感染症に対する効果の検討を行っていく。
|
Research Products
(2 results)