2014 Fiscal Year Research-status Report
Pax8-rtTA/LC-1システムを用いた腎尿細管近位側プロスタシンの機能解明
Project/Area Number |
26461234
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
柿添 豊 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (70583037)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 健一郎 山梨大学, 総合研究部, 教授 (10304990)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | セリンプロテアーゼ / プロスタシン / アルドステロン / 食塩 / HAI-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
Pax8-rtTA/LC-1ダブルトランスジェニックマウスとプロスタシン(Prss8) floxマウスを交配し、Pax8-rtTA/LC-1/Prss8flox/floxマウスを作成し、doxicycline投与により尿細管特異的にCreを誘導し、尿細管特異的プロスタシンKOマウス(TKO)を作成した。通常飼育下で24時間蓄尿を行った後にsacrificeした。TKOマウスでは尿中プロスタシン排泄が消失しており、尿中プロスタシンは尿細管細胞に由来することが確認できた。尿量、血中電解質・尿中電解質排泄を測定したが、コントロールとTKOで有意な差は認めなかった。24時間絶飲水とそれに引き続く水分負荷の負荷試験を行ったが、尿量・尿電解質排泄に差は認めなかった。TKOでは他のセリンプロテアーゼが誘導され代償的に作用している可能性も考えられ、尿中セリンプロテアーゼ活性をセリンプロテアーゼ特異的ザイモグラフィーで評価したが、使用した基質においてはコントロールとTKOで尿中セリンプロテアーゼ活性の変化を確認できなかった。 続いてTKOマウスに当初の実験計画に従い、アルドステロンを浸透圧ポンプを用いて皮下持続投与し、同時に8.0%NaCl食を開始した後4週間飼育した。4週後の尿アルブミン排泄はTKOマウスで少ない傾向を認めた。またreal-timePCRで評価した腎障害マーカーの発現もTKOマウスで減弱している傾向を認めた。いずれも用いた動物数が少なく統計学的有意差は認めなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Pax8-rtTA/LC-1/Prss8flox/floxはトリプルトランスジェニックマウスであり、産仔を得る確率が低い。またコントロールとなるPax8-rtTA/ Prss8flox/floxもしくはLC-1/ Prss8flox/floxを効率的に同数得ることができず、研究の進行に遅れがでた。 現在マウスの数が増え、安定した供給が可能となったため、引き続き実験と解析を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きマウスにアルドステロンと食塩を負荷し、腎障害を誘導し、アルドステロンによる腎障害(特に尿細管間質病変)における尿細管プロスタシンの機能を解析する。 また、交配中もしくは出産と同時にdoxicyclineを投与し、出産から離乳までの間に尿細管のプロスタシンを欠損させ、産後仔マウスが尿濃縮力(尿細管上皮機能の成熟)を獲得する過程における尿細管プロスタシンの役割を検討する。
|
Research Products
(3 results)
-
[Journal Article] The Serine Protease Inhibitor Camostat Mesilate Attenuates the Progression of Chronic Kidney Disease through its Antioxidant Effects.2015
Author(s)
Ueda M, Uchimura K, Narita Y, Miyasato Y, Mizumoto T, Morinaga J, Hayata M, Kakizoe Y, Adachi M, Miyoshi T, Shiraishi N, Kadowaki D, Sakai Y, Mukoyama M, Kitamura K.
-
Journal Title
Nephron
Volume: 129
Pages: 223-232
DOI
Peer Reviewed
-
-