2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of transplanted adipose tissue stem cells isolated from omentum promoting tissue repair in injured peritoneum
Project/Area Number |
26461260
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
濱田 千江子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50291662)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腹膜透析 / 抗酸化物質 / 線維化 / 形質転換 / 脂肪幹細胞 / 細胞移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
移植脂肪幹細胞の傷害腹膜における再生誘導機序の解明のプロジェクトでは、これまでの研究から中皮細胞と脂肪幹細胞の移植細胞種による組織再生への効果の相違に焦点をあて、この相違の要因として再生組織に細胞移植後も存在する刺激物質の影響に着目した。 細胞移植後の環境として腹膜透析では、高濃度のブドウ糖が浸透圧物質として利用されており、このブドウ糖が酸化ストレスを惹起し既存の腹膜組織を構成する細胞のみならず移植細胞へも影響し、これが組織再生のプロセスに影響するとの仮説を立てた。この仮説から、移植後高濃度糖刺激に晒され線維芽細胞へ形質転換する移植中皮細胞のプロセスを抑制への抗酸化物質の投与の有効性を確認する動物実験を行い、その有効性を確認した。 今回、中皮細胞のブドウ糖刺激による形質転換誘導の過程におけるROSの関連性を解明するため、中皮細胞を使った細胞実験を行い、ブドウ糖のミトコンドリア障害がROSを惹起し、このROSが炎症性サイトカインならびに成長因子の発現を誘導し、細胞の形質転換を誘導することを明らかにし、ミトコンドリア障害を軽減することで細胞移植による障害腹膜の再生が誘導される可能性を確認し、現在論文投稿中である。 一方脂肪幹細胞は、ブドウ糖刺激に対してROSの発生を含め抵抗性が高く、さらに中皮細胞を共同培養した群では中皮細胞の形質転換が抑制された。さらに、ブドウ糖で刺激された脂肪幹細胞の培養上澄で中皮細胞を培養したところ、高濃度のブドウ糖を含有しているにもかかわらず中皮細胞の形質転換が惹起されないことを確認し、脂肪幹細胞移植の新たな誘導機序に関して検討中である。
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