2015 Fiscal Year Research-status Report
局所皮質異形成におけるミオクロニー発作の誘導とその分子メカニズムの解析
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26461312
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高瀬 敬一郎 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00467903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重藤 寛史 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50335965)
鎌田 崇嗣 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (70614460)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 実験てんかん / 動物モデル / 皮質異形性 |
Outline of Annual Research Achievements |
胎生18日目 (E18) に子宮壁外から胎児頭蓋に冷却プローブで傷害を加えた局所皮質異型性モデルを,左前頭葉に1箇所 (group A),左前頭葉に2箇所 (group B),shamラットモデル (group C),正常コントロール (group D),それぞれ7匹ずつを作成した.異型性を有するラット電気刺激郡 (A’-D’) に対し,出生後1日 (P1) から7日 (P7) まで頭皮上左右前頭部に刺激電極を用いて2電極間に50Hz,持続5秒 (計250回) の短形波双極定電流刺激を与え刺激した.ミオクロニー発作と考えられる発作を生じた個体をカウントしたが各群間で有意差を認めなかった.発作の出現率も日数を追う毎に増加し,最終的にday7ではすべてのモデルに発作を認めた.また各ラットモデルに関しての頭部MRI所見は,個体が小さすぎるため大脳の構造が明瞭に描出できていなかった. そこでH27年度は,局所皮質異型性モデルを,左前頭葉に1箇所 (group A),左前頭葉に2箇所 (group B),両側前頭葉に1箇所ずつ (group C),shamラットモデル (group D),正常コントロール (group E),それぞれ7匹ずつを追加で作成した.電気刺激は上記と同様に行った.ビデオ上ミオクロニー発作と考えられる発作を生じた個体をカウントしたところ,day1でgroup Aの41.6%,group Bの47.3%,group Cの56.3%,group Dの26.5%にミオクロニー発作を認めた.group Cに有意に出現率が高い結果となった.しかしやはりその後電気刺激を継続していくと,各群間で差がほぼ無くなった.初期のみに差が出るようであった.モデルの脳構造に関しては,MRIでの検査が困難であったため,現時点では以前の研究に準じた病理組織を用いた検討を今後行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ビデオ上ミオクロニー発作と考えられる発作を生じた個体間で有意差が生じたのは,初期の電気刺激を行った時点だけで,その後差が無くなってくる.これは電気刺激のみでもミオクロニー発作が生じうることを示している.その原理に関して現在考察中である.またMRIでの画像評価を行う予定であったが,対象モデルが小さすぎるため困難である.これでは病理組織だけでの検討をせざるを得ないが,現在別の画像検討が出来ないか模索中である.
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Strategy for Future Research Activity |
電気刺激のみでもミオクロニー発作が生じうることが示されたため,その原理に関して現在考察中である.皮質異形性での発作誘発は原因の一つに過ぎない可能性がある.またMRIでの画像評価を行う予定であったが,対象モデルが小さすぎるため困難である.これでは病理組織だけでの検討をせざるを得ないが,現在別の画像検討が出来ないか模索中である.
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Causes of Carryover |
国内,海外での発表を行わなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内,海外での学会発表を行う.
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