2015 Fiscal Year Research-status Report
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26461377
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石井 清朗 金沢大学, 医学系, 特任准教授 (80419150)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 肥満 / 骨粗鬆症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、肥満時に肝臓から分泌されるサイトカインLect2タンパク質が、インスリン作用に影響を与え、骨代謝を制御しているという仮説を証明し、これに基づいた新しい骨粗鬆症治療法開発の基盤を構築することである。具体的にはLect2ノックアウトマウスで引き起こされる骨粗鬆症が、どのような分子メカニズムで起るのかを明確にすることを目的としている。 種々の臓器から分泌されるタンパク質よって骨代謝が影響を受けることが最近知られるようになってきた。肝臓からの分泌タンパク質が骨代謝に影響を与えるという報告もされてきている。加えて近年認知され始めてきた、肥満、糖尿病時における骨粗鬆症のリスクにLect2が関連することが分かれば、肝臓からの分泌タンパク質全体が新たな骨粗鬆症治療へのターゲットの候補となるだけでなく、インスリン感受性と相まって、糖尿病治療にも役立つ可能性を定義できる。また、分泌タンパクという特性上、血中で測定できるという有用性により検査も簡便であり予防にも貢献できると考えられる。 高脂肪食を与え肥満状態にしたLect2ノックアウトマウスでは骨量が減少していることに加え、老化マウスでもLect2が減少し、骨量が減少することが分かった。このことはヒトにおいても同様の結果であった。細胞レベルではLect2添加によってマクロファージから成熟破骨細胞への分化が抑制されることが分かり、破骨細胞へLect2を添加した際の遺伝子発現をマイクロアレイを用いて網羅的に解析した結果、炎症に伴う遺伝子の発現が増えており、さらに樹状細胞様のマーカー遺伝子の発現も増えていることが分かった。実際、LPSとLect2を同時投与するとLPSの作用を増強することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は予定していなかったヒトのデータでの解析が出来、マウスや細胞での結果と比較することができた。 研究費については民間からの助成金を充てることができたため、次年度に持ち越すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトでの解析をさらに進め、マウスや細胞レベルでの解析と比較する。
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Causes of Carryover |
研究費については民間からの助成金を充てることができたため、次年度に一部持ち越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Lect2と自然免疫について関係のある受容体の同定。
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Research Products
(3 results)