2014 Fiscal Year Research-status Report
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26461431
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
麻生 範雄 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50175171)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / 再発 / 遺伝子変異 / サブクローン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に急性骨髄性白血病症例の初発時と再発時における遺伝子異常の解析を行った。既知の遺伝子変異として染色体転座由来のAML1-ETO、CBFB-MYH11、PML-RARAおよびMLL転座などのキメラ遺伝子のPCRによる同定を行った。また、AMLにおいて遺伝子変異の頻度が高い異常として、NPM1、FLT3、CEBPA、IDH1、IDH2、DNMT3A、WT1およびTP53などの遺伝子変異の有無を検索した。NPM1変異例ではDNMT3A、FLT3、IDH1あるいはIDH2変異との共存を認めることが多かった。初発時と再発時のペア検体において、これらの共存する遺伝子変異が消失したり、新たに出現する場合が数例に認められた。これらの再発時に新たに獲得した遺伝子変異が初発時に微少なサブクローンとして存在したか、解析中である。 また、本年度は急性リンパ性白血病症例において数度の再発を繰り返すうちに急性骨髄性白血病へ転化した症例の遺伝子解析を行った。5回目の再発時にt(6;11)染色体転座を認め、MLL-MLLT4融合遺伝子が同定された。急性骨髄性白血病への転化時にもMLL-MLLT4キメラ遺伝子が確認され、同一クローンによる転化であることが示された。さらに、初発時にも同融合遺伝子を同定し、染色体検査では同定できなかったが、初発時にすでにMLL-MLLT4キメラ遺伝子クローンが存在したことを明らかにした。本例の急性リンパ性白血病から急性骨髄性白血病への形質転化に関わるその他の遺伝子変異について検索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に沿って、急性骨髄性白血病の初発および再発検体を用いて既知の遺伝子異常を解析した。再発時に新たに獲得した遺伝子変異は初発時に微少なサブクローンとして存在していたか、解析中である。また、再発時に消失した遺伝子変異についても初発時にメインクローンとは別のサブクローンではなかったか検討中である。これらの点に関して、実施計画の目的をほぼ予定通り達成していると考える。計画ではもうひとつ比較的大きな遺伝子異常をSNPアレイを用いて検討する予定であったが、こちらはあまり進んでいない。既知および未知の遺伝子異常に関して、次期に計画している全エクソンシーケンスにより網羅的に解析可能と考え、SNPアレイを用いた解析の一部変更を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
急性骨髄性白血病の再発時の遺伝子変異が初発時にも微少なサブクローンとして存在したか、あるいは新しく獲得したものであったかについて単一細胞PCRを用いて解析中である。次年度には初発時および再発時のペア検体における全エクソンシーケンスによる網羅的解析を行う予定である。これらの解析により急性骨髄性白血病における臨床上の最大の課題である再発の分子病態を明らかにし、予後予測としての臨床応用を検討する予定である。また、急性骨髄性白血病の発症や進展に関与する遺伝子変異は年々新たに報告されているので学会報告などにおける情報収集にも努めて、研究計画の推進に資す予定である。さらに、初発および再発のペア検体の症例数を増やすために他施設との共同研究を検討している。
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[Journal Article] Comprehensive analysis of genetic alterations and their prognostic impacts in adult acute myeloid leukemia patients.2014
Author(s)
Kihara R, Nagata Y, Kiyoi H, Kato T, Yamamoto E, Suzuki K, Chen F, Asou N, Ohtake S, Miyawaki S, Miyazaki Y, Sakura T, Ozawa Y, Usui N, Kanamori H, Kiguchi T, Imai K, Uike N, Kimura F, Kitamura K, Nakaseko C, Onizuka M, Takeshita A, Ishida F, Suzushima H, Ogawa S, Naoe T.
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Journal Title
Leukemia
Volume: 28
Pages: 1586-1595
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Tamibarotene as maintenance therapy for acute promyelocytic leukemia: Results from a randomized controlled trial.2014
Author(s)
Shinagawa K, Yanada M, Sakura T, Ueda Y, Sawa M, Miyatake J, Dobashi N, Kojima M, Hatta Y, Emi N, Tamaki S, Gomyo H, Yamazaki E, Fujimaki K, Asou N, Matsuo K, Ohtake S, Miyazaki Y, Ohnishi K, Kobayashi Y, Naoe T.
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Journal Title
J Clin Oncol
Volume: 32
Pages: 3729-3735
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Prognostic Impact of Chromosomal Variation in Patients with Acute Promyelocytic Leukemia (APL); Analysis of 775 Cases Enrolled in the Japan Adult Leukemia Study Group APL Studies.2014
Author(s)
Adachi M, Takeshita A, Taki T, Ohtake S, Shinagawa K, Kiyoi H, Matsuda M, Takahashi M, Emi N, Kobayashi Y, Miyamura K, Fujita H, Sakura T, Iwanaga M, Usui N, Miyawaki S, Asou N, Ohnishi K, Miyazaki Y, Naoe T.
Organizer
56th ASH Annual Meeting and Exposition.
Place of Presentation
Moscone Center, San Francisco, CA, U.S.A.
Year and Date
2014-12-06 – 2014-12-09
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