2014 Fiscal Year Research-status Report
成体の血液細胞系譜の起源の多様性と機能との関連性についての幹細胞学的研究
Project/Area Number |
26461442
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山根 利之 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30452220)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 英俊 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00283987)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 造血発生 / 造血幹細胞 / B-1B細胞 / マクロファージ / 細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、成体に存在する血液細胞系譜の発生学的多様性を明らかとするとともに、起源の異なる成熟血液細胞の機能性の差異について調べることを目的としている。 まず胎生期に出現し、生涯にわたり自己複製することが知られているB-1細胞系譜について、まず胚胎においてB前駆細胞がいつどこで出現するか検討した。胎齢11日においてはほとんど検出されなかったが、胎齢12日以降に胎仔肝臓で劇的に発生してくることを見出した。しかしながら胎仔肝臓が形成される胎齢10.5日にすでに胎仔肝臓に到達している造血前駆細胞のほとんどは、通常のB細胞系譜(B-2B細胞)へ分化することが判明したので、もう一つのB細胞系譜であるB-1B細胞への寄与は、卵黄嚢、胎盤などに少量存在したB前駆細胞がその供給源の第一候補として考えられた。 またミエロイド系譜については、近年、成体の組織滞在型マクロファージ、ランゲルハンス細胞が胎生期の造血細胞に由来することが示唆されている。また我々は破骨細胞系譜も胎生期由来であることを示唆するデータを有していることから、これらの供給元の候補となるM-CSF/IL-34受容体(FMS)陽性細胞の探索を行った。興味深いことに、FMS陽性細胞は、胎齢9日には胚体や卵黄嚢において検出され始めた。これはリンパ球や顆粒球などの他系譜に運命決定を受けた前駆細胞が出現するのに比べ早い時期であり、FMS陽性系譜の早期の分離を示唆した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胎生期由来の細胞系譜の供給源の候補集団を既に単離しており、概ね順調に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今度、供給源について精査するとともに、機能性の差異について検証する。
|
Causes of Carryover |
当初の平成26年度と平成27-28年度の計画を平成26年度中に並行的に進めたため、マウス購入額が低く抑えられたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今度、マウス購入も含め物品費に用いるとともに、マウス解析、細胞解析が多大なため、一部人件費に使用する。
|
Research Products
(3 results)