2016 Fiscal Year Annual Research Report
Multiple developmental origins of adult blood cell lineages and its relevance to functions
Project/Area Number |
26461442
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山根 利之 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (30452220)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 英俊 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00283987)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 造血発生 / 細胞分化 / 発生 / マクロファージ / B細胞 / NK細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、成体に存在する血液細胞系譜の発生学的多様性を明らかにするとともに、起源の異なる成熟血液細胞の機能差異を見出し、その分子基盤を明らかにすることを目的としている。 これまでに腹腔や胸腔に存在するB-1B細胞について、卵黄嚢由来の造血細胞が寄与することを示してきた。本年度は、B細胞の分化機構について、B-2B細胞になりやすい成体骨髄プロB細胞と、B-1B細胞になりやすい卵黄嚢由来のプロB細胞を比較し、遺伝子発現に大きな差異のある転写因子群を抽出して、試験管内にて分化転換を誘導できる遺伝子のスクリーニングを行った。その結果、一つの転写因子遺伝子の過剰発現により、成体骨髄プロB細胞から、B-1B細胞へと分化方向を転換させうることを見出した。現在、さらにこの転写因子分子の抑制実験を進めている。 またNK細胞系譜について、卵黄嚢に由来するNK細胞系譜と成体骨髄由来NK細胞系譜の機能アッセイを試験管内で行い、そのサイトカイン分泌機能と細胞傷害機能に差異が存在することを見出し、その生物学的意義について考察した。 さらにマクロファージ系譜について、初期卵黄嚢において産生されるマクロファージ系譜が存在することを明らかとし、このマクロファージ系譜が、全身に存在する組織滞在型マクロファージの第一波となりうることを示唆した。現在、このマクロファージ系譜の発生経路、胎仔型赤血球、多能性造血細胞との系譜関係、成体単球由来マクロファージとの差異について解析を進めている。
|
Remarks |
三重大学大学院医学系研究科幹細胞発生学分野ホームページ http://www.medic.mie-u.ac.jp/physiol_regener/
|
Research Products
(4 results)