2015 Fiscal Year Research-status Report
ヒト化抗PAD4抗体を用いた関節リウマチ治療へ向けての基礎検討
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26461470
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
金澤 智 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90347401)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 膠原病 / 抗CCP抗体 / PAD4 / 病態モデル動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の高齢化社会の進行は、関節リウマチ(RA)患者数の顕著な増加率(約1.5万人/年)としても現れている。このため早期治療法を確立することは喫緊の課題の一つである。そこで早期ターゲットタンパク質の一つPAD4に対するマウスモノクローナル抗体(MoAb)をPAD4の構造解析を基に作成し、関節リウマチモデルマウス(D1CCマウス:オリエンタル酵母工業より販売中)において、関節炎治療を行ったところ顕著な治療効果が得られた(国内特許取得中、実施権譲渡予定)。今回マウスMoAbを親和度で凌ぐ新たなニワトリMoAb(ヒトMoAb化が可能)を得た。本申請では、「ニワトリMoAb抗体がD1CCマウス関節炎に対し治療効果を示すのか否か」について検討し、「RA早期治療法実用化」に向けた基礎データの取得およびその特許化等を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の目標は以下の内容である。 ニワトリ抗体の絞り込みおよび動物実験に必要な抗体を生産する。 1.ニワトリ抗体の乖離定数を測定する。目的:有効なニワトリ抗体の絞り込みを行う。・結合実験および阻害実験から有用な抗体を絞り込み、ビアコアを用いPAD4に対する乖離定数を測定する。動物実験に対し、より最適と考えられる抗体を選び出す。実験のポイント:抗体によっては、結合が強く全く乖離が見られないものもあるが、この様な場合非特異的な結合も強すぎるため必ずしも生物製剤に利用できない事がある。この様に結合等の親和度だけでなくおのおのの抗体が持つ特徴を分析し、動物実験に最適と考えられる抗体を選択する必要がある。 2.ニワトリ抗体の大量生産目的:選択されたニワトリ抗体(マウス抗体化済み)を生産する。・各抗体は、リコンビナントタンパク質の形となる為、大量培養の際の細胞上清からの精製になる。各抗体の必要量は、約16mgで、この他にコントロールとしてアイソタイプコントロール抗体が同じく16mg必要となる。実験のポイント:大量培養時の抗体産生量により投与量、投与期間等の変更が必要な場合がありうる。
上記項目に対して、基礎的なデータ取得を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度、次年度共に当初計画通り実験が遂行できている。各抗体の生化学的な特徴が把握できかつ抗体の大量生産がほぼ確立できた。 平成28年度は、ニワトリ抗PAD4抗体をD1CCマウスに投与し関節炎抑性効果を検討する。
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Causes of Carryover |
最終年度において抗体の投与実験があり、動物飼育費、血清解析、組織学的解析等必要な費用へより多くの予算を割り振る事とした。このため27年度における予算を最終年度に繰り越し、より有効に予算を利用できる様変更した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度において動物飼育費、血清解析、組織学的解析等に対し繰り越した予算を使用する予定です。
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Research Products
(6 results)