2014 Fiscal Year Research-status Report
エピジェネティクス解析を用いたヒスタミン産生調節因子の探索
Project/Area Number |
26461482
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
工藤 久智 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (80647678)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ヒスタミン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、I 型アレルギー反応や炎症反応を引き起こすヒスタミンを生体内で唯一合成可能な酵素・ヒスチジン脱炭酸酵素(HDC, L-histidine decarboxylase)遺伝子の転写活性機構について明らかにすることを目標としている。
研究代表者らのグループは、本研究開始時までに、 Hdcプロモーター領域のメチル化や転写因子の結合能について研究し、遠位のエンハンサーと連携して働く基本的プロモーターの構造について明らかにした。 初年度はヒスタミン産生誘導実験と研究試料の調整としてマウスマスト細胞細胞株P815の脱メチル化による転写活性化実験を行った。P815細胞株を脱メチル化剤5-アザシチジンで処理するとプロモーター領域に脱メチル化が起こり、Hdc遺伝子の転写が活性化することが報告されており、同様の処理を行いクロマチン免疫沈降(ChIP)解析のための試料を調整した。この調整試料のcDNAについて発現解析を行ったところHdc遺伝子の発現上昇が前記の報告と同様に示された。同試料をもとにChIP解析を今後行う予定であるが、ChIPの試料調整時の条件検討、およびCTCFとH3K4me3の結合が予想されるHDCプロモーター領域についてChIP解析用のプライマーを設計した。設計した17箇所中15箇所については想定通りのPCR反応が確認された。 今後は、上記試料を用いたChIP解析を行いHdcプロモーター領域の転写活性領域の同定を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度はヒスタミン産生誘導実験と細胞試料の調整としてマウスマスト細胞細胞株P815の脱メチル化による転写活性化実験を行った。P815細胞株を脱メチル化剤5-アザシチジンで処理するとプロモーター領域に脱メチル化が起こり、Hdc遺伝子の転写が活性化することが報告されており(Suzuki-Ishigaki, Ohtsu, et al., 2000)、同様の処理を行いクロマチン免疫沈降(ChIP)解析のための試料を調整した。この調整試料のcDNAの発現解析を行ったところHdc遺伝子の発現上昇が報告と同様に示された。同試料をもとにChIP解析を今後行う予定であるが、ChIPの試料調整時の条件検討、およびCTCFとH3K4me3の結合が予想されるHDCプロモーター領域についてChIP解析用のプライマーを設計した。設計した17箇所中15箇所については想定通りのPCR反応が確認された。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度以降には、腹腔マクロファージへの大腸菌感染実験と骨髄由来培養マスト細胞を用いたアレルギー反応実験を行い、さらに解析を進める。平成26年度に行ったマウス・マスト細胞細胞株P815の5-アザシチジン処理実験と合わせてChIP解析によるHdc 転写活性化領域の検討を行うことによりアレルギー反応や感染炎症時に特異的なHdc 転写制御領域を明らかにする。さらにこれらの得られた知見によりBACトランスジェニックレポーターマウスを作成し、大腸菌感染によるヒスタミン産生の誘導実験を行い、生体内の GFP 強度を観察・測定し、野生型の BAC を導入したマウスの結果と比較検討をする。
|
Causes of Carryover |
平成26年度に課題の研究内容でマウスマスト細胞細胞株P815の脱メチル化による転写活性化実験を行い、解析を進める予定であった。実験条件の検討を行った結果、次年度以降にChIP解析を行うこととしたため、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度からの研究費は、定量PCR用のプライマーおよび試薬キット類の購入、抗体類やChIP実験のための試薬消耗品類の購入、その他の細胞生物学的、分子生物学的研究に必要な試薬キット類、細菌培養培地類、プラスチック・ガラス器具類、一般試薬類、消耗品類の購入に当てる予定である。また、50万円を超える設備、備品類の購入予定はない。
|
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] Validation of multiple single nucleotide variation calls by additional exome analysis with a semiconductor sequencer to supplement data of whole-genome sequencing of a human population.2014
Author(s)
Motoike IN, Matsumoto M, Danjoh I, Katsuoka F, Kojima K, Nariai N, Sato Y, Yamaguchi-Kabata Y, Ito S, Kudo H, Nishijima I, Nishikawa S, Pan X, Saito R, Saito S, Saito T, Shirota M, Tsuda K, Yokozawa J, Igarashi K, Minegishi N, Tanabe O, Fuse N, Nagasaki M, Kinoshita K, Yasuda J, Yamamoto M
-
Journal Title
BMC Genomics
Volume: 15
Pages: 673
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-