2016 Fiscal Year Annual Research Report
Asthma and COPD overlap: Elucidation of pathophysiology by molecular approach
Project/Area Number |
26461489
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松永 和人 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20347602)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 気流制限 / 気道可逆性 / 気道炎症 / リモデリング / サイトカイン / ケモカイン / 成長因子 / ガス分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
喘息とCOPDのオーバーラップ症候群は診断が困難であり、増悪頻度が高く気流閉塞の進行が速く予後不良であるが、その病態生理は十分に解明されていない。本研究は、分子生化学的アプローチにより、オーバーラップ症候群の細胞および分子レベルでの炎症プロファイルを明らかにし、疾患特異性の高い炎症分子を同定することで分子機序に基づいた疾患のエンドタイプの解明を試みることを目的とした。初年度はステロイド未治療の喘息、COPD、オーバーラップ症候群を対象に横断的に症状、呼吸機能、QOL、中枢・末梢気道由来の呼気NO濃度を測定し、血液、呼気凝縮液を採取し、血清および呼気凝縮液中の炎症性分子の網羅的測定を開始した。次年度からは、吸入ステロイド薬の追加投与の前後で分子発現と症状、呼吸機能、QOLの変化を前向きに評価し、ステロイド反応性(感受性・抵抗性)と関連する分子の探索を行ってきた。探索した複数の炎症マーカーの中で、末梢血好酸球数、呼気NO濃度、呼気凝縮液IP-10はCOPDに比べて、喘息、オーバーラップ症候群で増加していた。COPDにおいては中枢および末梢気道由来の呼気NO濃度が吸入ステロイド追加投与による気流制限およびCOPD assessment test(CAT)の改善を予測する有用なバイオマーカーであることが確認された。中枢由来の呼気NOと末梢由来の呼気NOはステロイド反応性の予測において同等の感度・特異度を有することが示された。呼気NOの総排泄量に対しては気道におけるNOの産生と消費が影響するが、オーバーラップ症候群においては過剰に産生されているNOがステロイドの感受性を予測するバイオマーカーとして有用と考えられた。また喘息を対象とした観察研究において、重度増悪の存在とステロイド治療に関わらず持続する呼気NO濃度の上昇が急速な気流制限の進行と関連することを見出した。
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