2014 Fiscal Year Research-status Report
早産児の学習障害における視覚的認知機能の分析的研究
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26461527
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
西田 智子 香川大学, 教育学部, 教授 (00243759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 育子 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (00613720)
日下 隆 香川大学, 医学部, 教授 (50274288)
小西 行彦 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (60528157)
惠羅 修吉 香川大学, 教育学部, 教授 (70251866)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 早産児 / 学習障害 / 視覚的認知障害 / 極低出生体重児 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の研究期間では、香川大学医学部附属病院NICUに入院し、神経学的異常を認めない早産児(極低出生体重児)で、5~10歳に達した小児を対象とし、発達外来にてK-ABCを施行し、知的能力のバランス(弱いところ、強いところ)を在胎週数、出生体重などにより分析した。次に、視覚認知機能を評価するためglobal・local図形課題とBender Gestalt Test(BGT)を施行した。また、検査可能な症例に対してはアイトラッカーを用いた両図形課題において、実際にどのように認知し、描くことができるかを検査した。視点追跡により注意して見ている部分の分析も行った。 K-ABCの結果では、極低出生体重児は「継次処理尺度」「同時処理尺度」「認知処理過程尺度」に比べて「習得度尺度」が著明に低く、特に算数能力、言語理解能力、推論能力に問題を持っていることが明らかとなった。また、在胎週数26週未満の児で「習得度尺度」「位置探し」「算数」「なぞなぞ」が有意に低く、global・local図形課題においては正期産児と比較して発達の遅れが著明であった。 BGTの結果では,BGT得点が以上に高い児が2名存在した.また,標準得点(BGT z score)を算出し,正期産児のコントロール群と比較した結果,対象群のほうが有意にBGT z scoreが高かった.眼科疾患は,在胎週数27週未満,出生体重1,000g未満の児で多く認められたが,BGT z scoreは眼科疾患の有無で有意差を認めなかった.また,対象群のBGT z scoreとK-ABCの同時処理尺度及び習得度尺度との間で負の相関を認めた.アイトラッカーを用いた視点追跡検査では、対象人数が少なく、まだ分析が不十分であるが、図形に対して非常に注視時間が長い児と注視時間が極端に短い児を認めた。再検査も含め、今後症例数を増やして検討する必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
K-ABC検査及び、global・local図形課題、BGTについては分析中であるが、大体の傾向をつかむことはできた。 pocket-NIRSの購入が予算などの関係で時期が後ろにずれたことにより取り掛かりが少し遅れた。また、実際に装着して試験的に行っている過程で、正確に測定するための準備として装着姿勢、検査課題などの再検討が必要であることが明らかになった。 また、測定できている早産児のアイトラッカーのデータ解析などがまだ進んでいない状態であり、どのように分析を進めるかの検討も合わせて、まだ時間がかかりそうである。
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Strategy for Future Research Activity |
pocket-NIRSを正確に測定するための準備として装着姿勢、検査課題などの再検討をボランティアの学生などに依頼して行う。また、測定できている早産児のアイトラッカーのデータ解析を行うとともに、症例を増やす予定である。正期産児についてもボランティアを募り、測定していく予定である。
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Causes of Carryover |
学会などの参加において、旅費として請求しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度において学会参加に使用の予定である。
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