2014 Fiscal Year Research-status Report
全身型若年性特発性関節炎の発症に関する分子免疫学的解析とその臨床応用
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26461571
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
清水 正樹 金沢大学, 医学系, 助教 (10401902)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 全身型若年性特発性関節炎 / マクロファージ活性化症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度 <サイトカインプロファイルによる免疫学的phenotypeと臨床病型の関連に関する検討> 全身型若年性特発性関節炎(s-JIA)86例について、急性期のサイトカインプロファイルを解析し、臨床像と比較検討した。IL-18/IL-6比が1000以上のIL-18群52例と1000未満のIL-6優位群34例について臨床像を比較したところ、前者は有意にマクロファージ活性化症候群(MAS)の合併が多く、血清AST値、血清LDH値が高値であった。一方後者は有意に関節炎が高度であり、血清CRP値や血清MMP-3値が高値であった。MAS症例では有意に血清IL-18値が高値であり、その合併を予測するcutoff値は47750pg/mlであった(感度70.5%、特異度96.0%、オッズ比29.8、尤度比17.62)。さらにこの中で抗IL-6受容体抗体であるトシリズマブ(TCZ)治療を受けた20例のうち、5例がTCZ治療中にMASを合併した。これらの症例のTCZ治療前の急性期のサイトカインプロファイルはいずれもIL-18優位群であった。これらの結果からs-JIAには臨床像の異なる2つの亜群が存在する可能性が示唆された。IL-18優位群ではMASの合併に注意が必要であり、TCZ治療中にも合併する可能性があることから、このような症例では血清IL-18のモニタリングを行いながら、慎重に経過観察する必要があると思われた。以上の結果を2014年度米国リウマチ学会議で報告し、現在論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析症例数は順調に増加し、予定通り研究が進行できている。来年度はこれらの検体を用いて、抗体アレイシステムによる網羅的な解析を実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
血清検体の解析は順調に進んでいるが、NK細胞の機能解析については新鮮な検体が必要であるため、依然解析症例数が少ない。来年度は細胞解析も積極的に進めていきたい。 トシリズマブに加え、抗IL-1β抗体であるカナキヌマブ治療の臨床試験が開始されるため、共同研究者と連携し、サイトカインプロファイルとこれらの薬剤に対する臨床効果との比較検討も同時に進めていきたい。
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Research Products
(1 results)