2016 Fiscal Year Annual Research Report
Proteomic explolation of biomarkers for kawasaki disease-associated coronary artery lesions
Project/Area Number |
26461617
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
河井 容子 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (60405248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 和幸 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30507786)
中村 明宏 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50313854)
浜岡 建城 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60189602) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プロテオミクス / 川崎病 / 冠動脈内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
川崎病は小児期にみられる原因不明の全身性血管炎であるが、とくに強い炎症はしばしば冠動脈に好発し、青壮年期の心血管イベント発症のリスクとの関連が懸念されている冠動脈瘤などの後遺症を引き起こすが知られている。本研究では川崎病において冠動脈が標的となる分子機序についてプロテオミクスの手法を用いて調べた。ヒト冠状動脈内皮由来およびヒト大動脈内皮由来の初代培養細胞より抽出した総蛋白質についてiTRAQ法による定量的比較プロテオミクス解析を実施した。その結果両者で発現レベルに差異のある蛋白質の候補を同定した。多くは小胞体関連蛋白質で冠動脈内皮で発現が低かった。これら候補についてwestern blottingによる検証実験した結果、ERp72、PDIおよびHYOU1などのいくつかの分子シャペロン蛋白質の発現が冠動脈で低いことが確認された。一方で小胞体の主要な分子シャペロンであるGRP94の発現には差異を認めなかった。ホモシステインによる小胞体ストレス負荷においてもERp72、PDIおよびHYOU1の誘導発現は大動脈内皮と比べて冠動脈内皮で減弱していた。異常の結果から冠動脈内皮と大動脈内皮では小胞体ストレス負荷に対する感受性に差異があることが示唆された。合わせてヒト検体での組織化学的検討を実施したが、安定したデータを得るにはいたっていない。免疫染色条件の至適化が必要と考えている。これとは別に、CD93の発現量や 血管内皮のマ―カーとして知られるCD31の分子量に両細胞間で差異が認められた。後者についてはグリコシダーゼ処理実験から糖鎖修飾の差異に起因するものではないことが示唆された。現在、川崎病病態における、これらの知見のもつ意義について今後検討を進めることを予定している。
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