2016 Fiscal Year Research-status Report
精神病発症危険群における嗅覚機能および嗅覚関連脳構造に関する研究
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26461739
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
高橋 努 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (60345577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 道雄 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (40236013)
高柳 陽一郎 富山大学, 附属病院, 講師 (40574942)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 精神病発症危険群 / 磁気共鳴画像 / 嗅覚 / 眼窩前頭皮質 / 嗅溝 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は嗅覚関連脳構造に関する検討をさらに進めた。すなわち統合失調症患者群および統合失調症の遺伝的スペクトラムの一部をなすと考えられる統合失調型障害群において、眼窩前頭面に存在する脳溝数が健常群と比較して減少していることを見出した。さらに嗅覚関連脳構造にみられる異常の疾患特異性を確認するため、うつ病患者の画像データを用いて、うつ病患者においても嗅溝が有意に浅いことを見出した。 また嗅覚機能に関しては、例数をさらに蓄積し、精神病性障害の発症危険群であるat-risk mental state (ARMS) 群では統合失調症群と同程度の嗅覚機能障害がみられることが確認された。 現在、嗅覚機能と脳画像との関連の解析のため、富山大学附属病院において健常群、ARMS群、および統合失調症群を対象にMRI撮像およびT&Tオルファクトメータによる嗅覚機能検査を継続し症例をさらに蓄積している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は嗅覚関連脳構造に関する検討をさらに進めることができた。一方、予備的検討では嗅球の体積測定が予想以上に困難であることや、嗅溝の機能的意義が当初考えられていたよりも乏しいことなどが示唆された。このため、嗅覚関連脳構造としては皮質領域の変化(特に眼窩前頭皮質や島回、扁桃体など)をより重点的に調べることを予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
着実な症例蓄積を継続し、嗅覚機能と嗅覚関連脳構造の関連解析を早期に進めていきたい。
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[Presentation] 統合失調症圏における眼窩前頭皮質の脳溝数減少2016
Author(s)
高橋 努, 中村美保子, 西川祐美子, 高柳陽一郎, 古市厚志, 木戸幹雄, 笹林大樹, 野口京, 鈴木道雄
Organizer
第38回日本生物学的精神医学会・第59回日本神経化学会大会合同年会
Place of Presentation
福岡
Year and Date
2016-09-08 – 2016-09-10