2015 Fiscal Year Research-status Report
脳部位間結合性の包括的な神経生理学的検討による統合失調症と気分障害の病態解明
Project/Area Number |
26461754
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
篠崎 和弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40215984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜飼 聡 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (80324763)
辻 富基美 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10347586)
小瀬 朝海 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10405425) [Withdrawn]
山本 眞弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (80423937)
坂本 友香 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (90423938)
高橋 隼 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10508021)
山田 信一 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70549716)
大沢 恭子 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (50612107)
金桶 吉起 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20280589)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 気分障害 / 脳部位間結合性 / 脳画像 / 経頭蓋磁気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は脳部位間結合性に着目して、統合失調症と気分障害の病態生理を解明することである。これまでにはうつ病と双極性障害において脳梁白質神経線維が障害されており、うつ病においてその異常が認知機能障害と関連していることを論文報告している。 平成27年度は、(1)全脳におけるミエリンの異常を鋭敏にとらえる解析法(T1w/T2w)を開発し、統合失調症では白質・灰白質においてミエリン異常が認められ、その異常が臨床症状と相関することを示し、論文発表した(Iwatani, Brain Behav 2015)。(2)経頭蓋磁気刺激に脳機能画像(near-infrared spectroscopy)を併用して刺激遠隔部の神経活動変化を捉えることで脳部位間結合性を評価する手法(rTMS/NIRS)の開発に取り組み、健常群において上側頭回を反復経頭蓋磁気刺激中に前頭部の脳血流が低下する結果を得て論文報告した(高橋, 日本薬物脳波学会雑誌 2015)。(3)神経精神疾患間の相違性を検討するため、側頭葉てんかんを対象に拡散テンソル画像を用いて脳梁白質神経線維の微細構造を評価し、側頭葉てんかんにおいて白質神経線維の障害が罹病期間と関連する結果を得て学会報告した(辻, 第17回日本脳機能マッピング学会 2015)。今後はこれまでに開発してきた脳部位間結合性の評価手法(機能的MRI、拡散テンソル画像、T1w/T2w、rTMS/NIRS)を組み合わせ、より包括的な視点で検討をすすめていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
統合失調症において新たな解析法(T1w/T2w)でミエリンの異常は示唆できたが、拡散テンソル画像や機能的MRIなどの包括的な画像研究の結果を得るに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの開発してきた評価手法を同一対象者に適合し、機能レベルと構造レベルを包括して神経精神疾患の脳部位間結合性の検討をすすめていく。
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Causes of Carryover |
平成26年度はrTMSやNIRSの整備や修繕の必要がなく、現有の機器で測定が可能であった。また、参加国際学会も日本開催であったため、旅費の計上が予定より少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
rTMS/NIRS機器のメンテナンス、新たな画像解析ソフトの導入、成果発表に経費を使用する。
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Research Products
(10 results)