2015 Fiscal Year Research-status Report
認知症介護家族の介護負担を示すバイオマーカーおよび家族介入プログラムの開発
Project/Area Number |
26461758
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
前田 潔 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (80116251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川又 敏男 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (70214690) [Withdrawn]
阪井 一雄 宝塚医療大学, 保健医療学部, 教授 (80304096) [Withdrawn]
山本 泰司 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (00324921) [Withdrawn]
梶田 博之 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (00441197)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 認知症 / 家族介護者 / 介護負担 / 家族介入プログラム / ヒトヘルペスウィルス / バイオマーカー / 疲労 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
疲労の評価に注目し,地域在住認知症高齢者の主介護者44名(介護者群)と,同地域の高齢者生涯学習施設に通い,現在介護を行っていない者50名(対照群)を比較した. 疲労の評価には,唾液中ヒトヘルペスウイルス(HHV)-6 DNA量の測定と,Chalder Fatigue Scale (CFS)を使用した. 結果,介護者群の唾液中HHV-6 DNA量およびCFSは非介護者群に比べて有意に高値であり,より強く疲労を認めた.特に,介護者の唾液中HHV-6 DNA量が対照群に比べて高値であるという知見は,国内外においてこれまで報告されておらず,本研究の大きな成果となった.HHV-6の再活性化には何らかのサイトカインの過剰産生が関与するとされており,このことから介護による負担は免疫系の機能異常を引き起こす可能性が示唆された.また,介護者群においては抑うつ症状もより多く認められたほか,日常生活では余暇活動量が少なく家事活動量が多いという特性も明らかとなった.これらによって,介護者は身体的な負担だけにとどまらず,精神的ストレスもより重度な状態にあるものと考えられた. 次に,介護者群のみのデータに注目し,介護者の唾液中HHV-6 DNA量に関連する要因を分析したところ,被介護者である認知症者の認知機能や日常生活活動能力と有意な相関を示すことが明らかとなった.これらの結果から,介護者の唾液中HHV-6 DNA量は介護している認知症者の認知症の程度にも影響を受けると考えられ,介護による負担を反映している可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始時,介護者の唾液中HHV-6 DNA量は介護負担感の指標に関連すると予測していた.現在までの結果では,介護による負担によって唾液中HHV-6 DNA量は増加する可能性は示唆された.一方,これまで広く用いられてきた介護負担感の指標とは有意な相関を示さなかった. また,平成27年度後半に予定していた,全国の認知症者対象の通所施設職員からの事例集積は平成28年度に実施する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定であった全国の重度認知症患者デイケアからの事例集積にとどまらず,全国の認知症対応型通所介護も対象とし,認知症家族介護者を支援するうえでのグッドプラクティスの集積を行う. 認知症対応型通所介護は全国に3500施設余りと,重度認知症患者デイケアの施設数の十数倍が存在し,どの施設も医学的に認知症と診断された者を通所対象としている. 先行研究によると,認知症対応型通所介護は他の通所施設(通所介護や通所リハビリテーション)に比べて家族介護者のための取り組みをより多く実践している.このような施設から情報が得られれば本研究の推進につながると考えられる.
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Prediction of outcomes in MCI by using 18F-FDG-PET: A multicenter study,2015
Author(s)
Kengo Ito, Hidenao Fukuyama, Michio Senda, Kazunari Ishii, Kiyoshi Maeda, Yasushi Yamamoto, Yasuomi Ouchi, Kenji Ishii, Ayumu Okumura, Ken Fijiwara, Takashi Kato, Yutaka Arahata, Yukihiko Washimi, Yoshio Mitsuyama, Kenichi Meguro, Mitsuru Ikeda,
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Journal Title
J Alzheimer’s Disease
Volume: 45
Pages: 543-552
Peer Reviewed / Open Access
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