2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26461775
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
早川 徳香 南山大学, 総合政策学部, 准教授 (20410756)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経性無食欲症 / 自閉症スペクトラム / 前向きコホート研究 / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究の概要:大学新入生に対して、質問紙と面接による2年間の前向きコホート調査を行い、自閉症スペクトラム(AS)及び神経性無食欲症(AN)の年度ごとの有病率やANの発症に関与する大学生の心理社会的危険因子・改善因子を中心に明らかにする。 2.研究の成果:A大学1-2年生(N=2866)を対象に、一次質問票調査を実施した。参加者はN=2174(回収率77%,男:女=926:1248,平均年齢18.4±0.8歳)であった。このうち、EAT-26得点11点以上でBMI18.5未満の群(Probable ED: PED群)が男子学生の1.1%(N=10)、女子学生の2.2%(N=28)に存在した。PED群のEAT-26平均点は、男性で14.8(4.4)点、女性で15.3(3.7)点であった。PED群においては、EAT-26とAQ、BDIならびにBMIとの間には有意な相関関係を認めなかった(それぞれr=0.1, p=0.62; r=0.1, p=0.56; r=0.3, p=0.16)。AQとBDIは正の相関関係にあった(r=0.4, p=0.01)。 3.今後の研究の展開、課題等:現在、前向きコホート調査を継続し、データを収集中である。○神経性無食欲症の発症に関係する心理社会的要因を明らかにする。 入学時に神経性無食欲症臨床尺度が陰性であった者のうち、1年後にこれが高値となった者(神経性無食欲症を発症した者)について、発症しなかった群との比較を行い、入学時のどの要因が神経性無食欲症の発症に関与しているのかを特定することにより、早期に予防的介入すべき項目を明らかとする。 ○調査実施時の抑うつ気分が、自閉症スペクトラム指数(AQ-J)や気質といった自己記入式質問票の結果に及ぼす影響について検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自己記入式一次調査参加者はすでに4313名に達しており、現在までに得られたデータを平成27年度分と合わせれば、十分なサンプル数を得られる見込みである。 しかし、符牒の照合が難航したり、2年次生の調査参加率が低下したりしたため、縦断調査のサンプル数確保が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
一次質問票調査に関して、1)横断研究のデータ解析に取組み、*神経性無食欲症の有病率、*関係すると推測される心理社会的要因、*併存症、*神経性無食欲症と自閉症スペクトラムの重複を推定、*神経性無食欲症と自閉症スペクトラムの重複群と重複のない神経性無食欲症群の社会コミュニケーションとパーソナリティ特性について明らかにする。2)縦断研究のデータ整理(符牒の照合作業)を進める。二次面接調査に関して、2年次生の二次調査参加者を確保し、サンプリング数を増加させる。
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Causes of Carryover |
一次調査が年度末から次年度はじめにかけて実施されるため調査票用紙印刷代金や封筒などの文具代金の支払いが次年度に持ち越されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査用紙印刷代金や調査用紙の配布・回収に要する物品費や郵送代、データ入力委託費を中心に使用する。
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