2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26461817
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
THA KhinKhin 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (20451445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺坂 俊介 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10447055)
工藤 與亮 北海道大学, 大学病院, 准教授 (10374232)
山本 徹 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (80261361)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 磁気共鳴画像 / 非侵襲的導電率画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
電流の流れやすさを示す指標である導電率は、体内臓器や組織によって値が異なる。導電率を非侵襲的に測定できれば、異なる組織の区別が非侵襲的に可能となり、病的状態での組織系の予測診断の補助が期待できる。本研究は、脳MRIにおける非侵襲的導電率イメージングを開発し、この方法による頭蓋内構造の導電率測定の正確性を明らかにすることを目的とした。 初年度である平成26年度では、非侵襲的導電率画像の撮像のため当院自主臨床試験審査員会の認定のための申請を行い、認定を得た。脳MRIにおける位相情報を用いた非侵襲的導電率イメージングを開発し、ファントムを用いて撮像パラメータの最適化・撮像法の精度について検討した。非侵襲的導電率画像撮像には二次元法と三次元法が用いられるが、三次元法でアーチファクトのより少ない・精度のより高い画像を得ることができた。よって、今後の検討では三次元法がより適していると考えられた。また、研究協力者と一緒に画像解析アルゴリズムの改定を行った。磁場の不均一性から生じたと思われる画像信号ムラを減らし、精度のより高い導電率画像の作成に成功した。非侵襲的導電率イメージングにより求められた導電率測定の正確性の検討のため、電極を用いた導電率測定装置を購入し、導電率の異なる素材を含むファントムを用いて、MRI法による導電率と導電率測定装置による導電率との一致率の検討を開始した。 以上の結果を、Annual meeting ISMRM-ESMRMB及び第44回日本神経放射線学会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度の当初の予定は、「非侵襲的導電率画像の撮像のため当院自主臨床試験審査員会の認定を得て、脳MRIにおける位相情報を用いた非侵襲的導電率イメージングを開発し、ファントムを用いて撮像パラメータの最適化・撮像法の精度を検討する。ファントムや病理組織を用いて、ex vivo導電率測定による導電率との一致率を検討する」であった。 前3者は達成できた。Ex vivo導電率測定による導電率との一致率の検討に関しては、電極を用いた導電率測定装置の納品・セットアップが大幅に遅れたため、現在ファントムを用いた検討を開始したところである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、ファントムや病理組織を用いて、ex vivo導電率測定による導電率の一致率の検討を完成させる。年齢・性別による導電率への影響を明確にするとともに、年代・性別ごとの正常値を示す健常人導電率画像データベースを作成する。異なる組織型や悪性度の異なる脳腫瘍間での導電率の違い、治療に伴った導電率の変化について検討する。詳細は以下に示す。
標本固定等による導電率測定への影響がないように十分に注意する。脳腫瘍患者では、術前のin vivoでの導電率測定、術後の組織標本でのex vivo導電率イメージング及び導電率計による導電率測定を行い、術前MRIでの非侵襲的導電率イメージングの正確性について検討する。 本研究に参加できる健常人被験者を募集し、年代・性別毎の健常人被験者の日侵襲的導電率イメージングを行う。中枢神経疾患の除外のため、導電率イメージングに加えて脳のT2強調画像及びFLAIR画像も撮像し、除外診断を行う。年代・性別毎の導電率画像データベースを作成し、このデータベースを用いて年齢・性別の導電率への影響にてついて統計学的な検討を行う。 本研究への同意を得た脳腫瘍患者の術前非真宗的導電率イメージングを行う。術後の病理組織診断を参考にし、異なる組織型を持つ脳腫瘍間で導電率が異なるか、同一脳腫瘍においても悪性度によって導電率がことなるか、放射線療法や化学療法を施行した場合は治療前後での導電率の変化について検討する。対象疾患は、脳実質内腫瘍で最も頻度の多い神経膠腫、頻度は多くないが神経膠腫としばしば鑑別困難である悪性リンパ腫、様々な組織系を持つことが知られている髄膜腫、とする。
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Causes of Carryover |
平成27年3月に納品となった消耗品等は平成27年4月に支払われたため未使用額(1,302,316円)が発生した。平成26年度は旅費が予定よりやや少なかったため、未使用額(40,873円)が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年3月に納品となった消耗品等は平成27年4月に支払われたため 1,302,316円については執行済みである。40,873円については研究成果発表などに使用する予定である。 。
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Research Products
(3 results)