2015 Fiscal Year Research-status Report
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26461817
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
Tha KhinKhin 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (20451445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺坂 俊介 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10447055)
工藤 與亮 北海道大学, 大学病院, 准教授 (10374232)
山本 徹 北海道大学, その他の研究科, 教授 (80261361)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Electrical conductivity / Brain tumor / Magnetic resonance / Glioma / Lymphoma / Meningioma |
Outline of Annual Research Achievements |
電気の流れやすさを示す指標である導電率は、体内臓器や組織によって値が異なる。導電率を非侵襲的に測定できれば、異なる組織の区別が可能となり、病的状態での組織系の予測診断の補助が期待できる。本研究は、脳MRIにおける非侵襲的導電率イメージングを開発し、この方法による頭蓋内構造の導電率測定の正確性を明らかにすることを目的とした。 二年目である平成27年度では、(1)最適化した非侵襲的導電率イメージングを用いて、年齢、性別毎の脳実質の導電率について検討した。その結果、脳実質の導電率は年齢、性別により異なり、成人では年齢が高いほど導電率が高い結果が得られた。また、女性が男性と比べて、導電率が高かった。(2)MRIを用いた非侵襲的導電率測定法を用いて、髄膜腫とリンパ腫の導電率の違いについて検討した。その結果を2015年6月にトロントで開催された第23回国際磁気共鳴医学会(ISMRM)でポスター発表した。(3)また、研究協力者と一緒に画像解析アルゴリズムの更なる改定を行った。(4)次に、MRI画像から導電率画像を自動的に解析できる自動画像解析ソフト開発について検討した。(5)非侵襲的導電率測定法の正確性を検討するため、MRIを用いた脳腫瘍の導電率と手術で切除された脳腫瘍検体のex vivo導電率測定(プローブを用いた)による導電率との値との比較をした。両者は高い相関を示しており、MRIによる非侵襲的導電率測定の正確性が証明された。この結果の一部を、2015年10月に東京で行われた第43回日本磁気共鳴医学会(JSMRM)で発表した。また、今まで得られた結果を、2016年5月にシンガポールで開催される第24回ISMRMに口頭及びポスター発表する予定である。本研究内容は、第24回ISMRMに投稿された6000件ほどの抄録から最も優れた内容の一つに選ばれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の予定は、「最適化した非侵襲的導電率イメージングを用いて、年齢、性別による導電率の影響を明確にするともに、年代・性別毎の正常値を示す健常人画像データベースを作成する。異なる組織型や悪性度の異なる脳腫瘍間での導電率の違い、治療に伴った導電率の変化について検討する」である。 最適化した非侵襲的導電率イメージングを用いて、年齢、性別による導電率の影響、異なる組織型や悪性度の異なる脳腫瘍間での導電率の違いについて検討できた。また、平成26年度で達成できなかった非侵襲的導電率測定法の正確性を検討も行うことができた。年代・性別毎の正常値を示す健常人画像データベース作成及び治療に伴った脳腫瘍の導電率の変化の検討のため、データ収集を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度では、年代・性別毎の正常値を示す健常人画像データベース作成、及び治療に伴った脳腫瘍の導電率の変化についての症例収集を続ける。必要症例数に到達した次第、統計解析を行い、平成27年度で認めた年齢・性別の脳実質の導電率への影響、治療に伴った脳腫瘍の導電率の変化、を明確にする。
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Causes of Carryover |
平成27年度では、非侵襲的導電率測定法の正確性を検討するためのファントム作成、情報収集や成果報告のための旅費、MRI使用料などに研究費を使用する予定であった。そのうち、健常人データベース作成のためのMRI使用料はまだ生じていなく、成果報告のための旅費が予定より少なかったため、残高が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
年代・性別毎の導電率画像データベース作成 (MRI使用料や謝礼)、得られた画像データの保存(HDDやDVDなどの購入)、画像データ解析(解析ソフトライセンス更新)、成果報告(学会発表のための印刷代や旅費、論文作成)、ex vivo導電率測定(ファントム材料、実験台使用料、消耗品購入)などの費用にあてる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Electrical conductivity characteristics of meningiomas: noninvasive assessment using electric properties tomography2015
Author(s)
Tha KK, Katscher U, Stehning C, Yamaguchi S, Terasaka S, Sugimori H, Yamamoto T, Fujima N, Kudo K, Suzuki Y, Cauteren MV, Shirato H
Organizer
ISMRM 23rd Annual Meeting
Place of Presentation
Toronto (Canada)
Year and Date
2015-05-30 – 2015-06-05
Int'l Joint Research