2015 Fiscal Year Research-status Report
IVIMイメージングによる化学放射線治療効果・予後予測法確立
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26461831
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
畠中 正光 札幌医科大学, 医学部, 教授 (40253413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉川 光春 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80217174) [Withdrawn]
河合 有里子 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70404712) [Withdrawn]
荒谷 和紀 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (00404715) [Withdrawn]
中田 健生 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50457719)
黒瀬 誠 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60404696)
中村 和正 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20284507)
吉浦 敬 鹿児島大学, 医学部, 教授 (40322747)
山 直也 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20404709)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再現性 / 頭頸部がん / MRI / DWI / ADC / IVIM |
Outline of Annual Research Achievements |
現在までのところ頭頸部がん22症例の登録を行っている。データを詳細に解析してみると、voxel baseでD・ D*・ F値を計算した場合、MPGの印加方向の違いによって値にかなりの違いが生じていることが分かった。また、低いb値ではMPGが強くなると信号強度が上昇するためD*がマイナス値になってしまうvoxelが相当の割合で生じていることも分かった。更に詳しく解析してみたところ、偶々同一ポジションで2回続けて撮像した場合でも計算される腫瘍部の拡散パラメータにかなりのばらつきが生じていることが分かった。 そこで、phantomを用いて全くの同一シークエンス、同一ポジションで2回連続して拡散強調像を撮像し、ボクセル単位のADC値(IVIMを計算するとデータが多すぎて非常に複雑になるので)を計算し、ADCに与えるMPG印加方向の影響、およびADC値の再現性(repeatability)を評価した。Phantomなのでanisotropyは無いがMPGの方向によってADC値は異なり、再現性も低いとの結果が出た。データが正規分布していないので、各voxel のADC値をhigh、middle、lowの三段階に分け1回目と2回目の撮像でどの程度一致するかを評価したところ、kappa値は0.33と低い一致率にとどまった。Echo planar imagingの歪みの影響ではないかと考え、歪みの少ないturbo spin echo法での撮像を追加したところkappa値は0.14と更に低い値となってしまった。拡散強調像自体の問題の可能性を考えspin echo法でT2値の再現性を評価してみるとkappa値は0.71と十分な再現性が得られることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点では登録症例数は22例とおおむね順調に進んでいる。ただし、経過観察による拡散パラメータの増減を論じる場合は特にデータの再現性が重要になってくる。画像上歪みの少ないturbo spin echo法を用いた拡散強調像の撮像を行ってみたがかえって再現性は低下するという結果であった。Spin echo法を用いたT2値の再現性は高かったので、motion probing gradientの安定性の問題であろうと推察している。これらの結果については、2015年9月の日本磁気共鳴医学会にて発表を行った。更に、2016年5月にシンガポールで開催される国際磁気共鳴医学会でもは発表予定である。 再現性に関しては、加算回数を増やすことである程度対応可能ではあるが、検査時間との兼ね合いになる。現実的な対応策として、voxel baseのADC値ではなく、そのmedian値(正規分布ではないのでmedianの用が適切と考えている)を用いて治療効果予測を行う方法やROI内の信号強度のmean(あるいはmedian)から拡散パラメータを計算する方法を(この場合はhistogram解析などを行う事ができないというデメリットは生じる)検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
治療に伴う経時的変化を評価対象とする場合、データの再現性は特に重要である。装置のmotion probing gradientの不安定性が原因とすればユーザーとしての対応には限界がある。症例を重ねて、「再現性のばらつきの範囲」と「ばらつきの範囲を超えた変化」とを統計学的に区別する方法を開発する必要がある。別の対処方法の一つとして、voxel baseのADC値ではなく、そのmedian値(正規分布ではないのでmedianの用が適切と考えている)を用いて治療効果予測を行う方法やROI内の信号強度のmean(あるいはmedian)から拡散パラメータを計算する方法を現在検討中である。Histogram解析などは行えないがデータ処理は簡素化されるので一般には普及させやすい方法であり、恐らく再現性も高いのではないかと期待される。 当初予定していた症例からのデータに加えて、phantom実験やボランティアを使った詳細な再現性の検証も必要になると考えている。
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Causes of Carryover |
7万円余りの次年度使用額が生じているが、これは学会出張費や物品購入費が事前には正確に予測できなかったために生じたものである。統計解析ソフト(PRIZM)の購入を考えていたが、予想以上にデータの再現性が悪かったため、対応方法を検討するのに時間がかかり本年度は購入しなかったことも一因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年5月にシンガポールで開催される第24回国際磁気共鳴医学会に参加して研究結果を発表する。また、9月に大宮で開催される第44回日本磁気共鳴医学会にも参加予定である。
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Research Products
(1 results)