2015 Fiscal Year Research-status Report
アミロイド変性症(AD,FAP)の分子イメージング薬剤EMSBの臨床開発
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26461861
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
冨吉 勝美 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (60188802)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アミロイドーシス / アルツハイマー病(AD) / 123I-EISB / 動物用SPECT/CTシステム / 18F-EFSB |
Outline of Annual Research Achievements |
[目的]「アミロイド変性症(AD,FAP)の分子イメージング診断法の開発」により前駆体EMSB に、123Iあるいは18Fの放射性核種を標識合成し、日赤熊本健康センターサイクロトロン施設(日赤熊本センター)で18F-EFSBを、本施設RI総合センターで123I-EISB標識を行うこと、本施設で作成したアミロイドマウスと比較検討および、マウス脳動物用SPECT/CTシステムFX3300の臨床基礎データを取得することが目的である。 [方法]125I-EISBと同様に123I-EISBに適用する。1)123IをEMSBと反応器で加熱乾燥させる。2)EMSB(1mg/2ml )+ 18F/kriptfix 反応実験 3)2.5mより1.5mlへのAcCNの蒸発 同様に18Fによる18F-EFSBも同じ手順で標識合成する。動物実験では、123I-EISBを放射能濃度1MBq/0.1mlの薬剤を、本施設作成アミロイドマウスおよび正常マウスの静脈内に投与し、その体内分布を臓器別の放射能量とその重さから経時的な放射能分布を求め、体内動態および代謝を調べる。他方動物用SPECT/CTシステムFX3300(米国GM-I社製)装置による断層像とCT画像の測定を行い、3次元的画像を得る。 [結果]123I-EISBの合成で、125I-EISBと同様な放射化学的純度(98%)以上の純度を得たが、収率が悪かった(10%以下)。正常マウスに投与し、動物用SPECT/CTシステムFX3300(米国GM-I社製)装置による断層像とCT画像の測定した。他方18Fによる18F-EFSBも同じ手順で標識合成が得られた。 [結論]123I-EISBの放射化学的純度は高かったが、収率が悪かった(10%以下)。この原因は、125Iと123Iの購入時の異なった溶媒に原因があり、最後28年度に収率を高め、より良い、動物用SPECT/CTシステムFX3300(米国GM-I社製)装置による断層像とCT画像を得る。18F-EFSBは、臨床に必要な分離精製と更なる収率を高める必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
結果から123I-EISBの合成で、125I-EISBと同様な放射化学的純度(98%)以上の純度を得たが、収率が悪かった(10%以下)。この原因は、125Iと123Iの購入時の異なった溶媒に原因があり、今年度28年度では、収率を高めより良い動物用SPECT/CTシステムFX3300(米国GM-I社製)装置による断層像とCT画像を得ること。 他方、18F-EFSBは、順調に標識合成は進んでいるが、前駆体であるEMSBが入手できなくなり、合成実験が一時停止された。原因は、前駆体EMSB合成を九州大学から供給できなくなり、急遽熊本大学薬学部に前駆体の合成を依頼し、予定より合成実験が遅れた。そのため臨床に必要な分離精製もこれからの実験となる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度28年度では、123I-EISBの収率が悪かった原因は、125Iと123Iの購入時の異なった溶媒に原因があることが、製造元との連絡で判明したので、125I標識合成とは異なる方法を行う。123I溶液にはナトリウム金属がなく、その結果NaIができないことが原因である。1Mの塩化ナトリウムを投与し、標識を試みる。その後収率を高めより良い動物用SPECT/CTシステムFX3300(米国GM-I社製)装置による断層像とCT画像を得ること。 他方、18F-EFSBは、前駆体であるEMSBの合成を熊本大学薬学部に依頼し、現在十分な前駆体を得ることができた。これから合成の遅れを取り戻し臨床に必要な分離精製もこれからの実験となる。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由を計画書に書いたが、一つは、前駆体化合物EMSBが合成担当した九州大学での合成ができなくなり、熊本大学薬学部に新しく合成拠点が変えて、新担当者への合成の変更か生じたことで合成実験および動物実験が一時停止したことと、動物用SPECT/CTシステムFX3300(米国GM-I社製)装置を操作する担当者が病気になり約4か月間使用できなかったことが原因で実験が遅れている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
熊本大学薬学部で前駆体EMSBの合成をしてもらい、今年になり十分な量のEMSBを確保したことと、動物用SPECT/CTシステムFX3300(米国GM-I社製)装置を操作する担当者が復帰され今年度28年度から装置の担当をすることができるようになった。 したがって27年度の途中からの実験および平成28年度の実験を行うことが可能になった。28年度の計画がすこしタイトで、忙しくなるが集中して実験することで可能となる。
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