2014 Fiscal Year Research-status Report
多発性骨髄腫:Non-FDGPETの新しい可能性の臨床研究
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26461874
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
窪田 和雄 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (40161674)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多発性骨髄腫 / FDGPET / メチオニンPET / 4DSTPET / 髄外病変 |
Outline of Annual Research Achievements |
[背景] 多発性骨髄腫の診断では、骨X線写真・CTにより、溶骨像として骨髄腫病変を検出することができるが、その病巣の活動性の評価は困難である。18F-FDG PET/CT(FDG) 検査は、全身検索が容易で、骨髄の活動性病変を鋭敏に検出し、骨髄外病変も検出することで、高い診断精度が報告された。しかし、実際にはあいまいな所見を示す患者が少なくない。 骨髄腫は単クローン性の免疫グロブリン(M蛋白)の産生が特徴的な腫瘍でありアミノ酸代謝を評価することのできる11CメチオニンPET/CT(Met) が有用と考えた。Metについては、すでに報告されているが、多数例での検討は行われていない。骨髄腫細胞への3Hチミジンの取り込みが骨髄腫の増殖能、悪性度の指標として知られていた。新しく開発されたDNA合成のトレーサー、11CチオチミジンPET(4DST) により、骨髄腫細胞の増殖のモニタリングが可能と考えた。 [研究目的] 形質細胞の腫瘍性増殖を、アミノ酸代謝とDNA合成を指標とした新たなPET/CTで評価し、病状評価と治療開始の指針とすることができるかどうかを検討する。 [評価方法] FDG PET/CTのCT画像により、明らかな骨欠損が見られた病変に、FDG, Met, 4DSTの3種のPETで有意の集積があるかどうかを調べ、所見の違いを検討した。 [結果] 24人の骨髄腫の患者の55の溶骨性病変を評価した。PET陽性、不明確、PET陰性の病変は、FDGで (33,10,12), Metでは(39,3,13)4DSTでは(40,1,14)となり、FDGと比べて、Metおよび4DSTでは明らかに不明確(Equivocal)病変が少なく、より明快な診断が得られること、頭蓋骨病変は、FDGでは脳への生理的な集積のため診断困難であるが、Met,4DSTでは明瞭に診断できることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
すでに100人程度の症例集積が行われ、解析も進んでいるが、当初の見込みより進行状況は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2では、腸骨陵の穿刺細胞診が行われ、病理学的に骨髄腫の活動性の状態が確定できた患者36人の腸骨陵の3種のPETの所見を解析し、病巣検出精度を算出、比較する計画である。研究3では、PETの撮像方法、特に活動性の病変の的確な検出のために、全身の撮影がどの程度必要かを調べる予定である。次年度以降で、遅れは取り戻せると考える。
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Causes of Carryover |
解析計画およびPETCT検査の実施が遅れたため、支出が当初より少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に実施症例が増加し、PET/CTの薬剤代金などの増加が見込まれるため、予定通り使用する計画である。
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[Journal Article] Comparison of (11)C-4'-thiothymidine, (11)C-methionine, and (18)F-FDG PET/CT for the detection of active lesions of multiple myeloma.2015
Author(s)
Okasaki M, Kubota K, Minamimoto R, Miyata Y, Morooka M, Ito K, Ishiwata K, Toyohara J, Inoue T, Hirai R, Hagiwara S, Miwa A.
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Journal Title
Ann Nucl Med
Volume: 29
Pages: 224-232
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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