2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of estrogen receptor positive breast cancer risk model consisting of genetic polymorphisms and serum biomarkers
Project/Area Number |
26461955
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
吉本 信保 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (10551244)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 友美 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (20566228)
遠山 竜也 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (30315882)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | エストロゲンレセプター陽性乳癌 / 遺伝子多型 / リスクモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人女性における臓器別がん罹患率で乳癌は第1位であり、その中でも特にエストロゲンの刺激によって増殖するエストロゲンレセプター陽性乳癌が増加している。癌の発症原因はさまざまであり、その予防・治療において発症メカニズムの解明は喫緊の課題である。われわれは既存の疫学因子に加え、遺伝子多型の一種である一塩基多型(SNP)に注目した。このSNPは多種の疾患の易罹患性に関与していると考えられており、乳癌の易罹患性に関与すると考えられるSNPも多数報告されている。我々はこのメカニズムを解明するため、疫学因子、血清バイオマーカー、マンモグラフィ濃度との相関を解析し、そのメカニズムの解明を試みた。われわれはTNRC9 rs3803662のSNPがエストロゲンレセプター陽性乳癌の易罹患性に関与していることを見出し、そのメカニズムとしてマンモグラフィ濃度に影響を与えることを示した。また、閉経前女性におけるエストロゲン合成酵素CYP17A1の一塩基多型 rs743572が血清テストステロンに影響を与え、乳がんの易罹患性に関与している可能性を示した。また、マンモグラフィ濃度を予測する重回帰分析モデルを開発し、生殖系の因子や血清バイオマーカーのほか、飲酒も関与することを示した。飲酒が乳癌の発症リスクに関与するメカニズムとしてマンモグラフィ濃度に影響を与えることが原因であることが示唆された。これらの検討により、エストロゲンレセプター陽性乳癌の罹患リスクがよし正確に同定できれば、日本人女性における高リスク群を同定でき、エストロゲンレセプター陽性乳癌の化学予防も視野に入り、本邦での乳癌死の現象がが期待できると考えている。
|
Research Products
(2 results)