2015 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍局所におけるIL23/Th17 pathway制御による新規分子標的の開発
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26461993
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
飯田 武 和歌山県立医科大学, 医学部, 研究員 (30453187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中森 幹人 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (10322372)
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
岡田 健一 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50407988)
勝田 将裕 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (50464673)
谷 眞至 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60236677) [Withdrawn]
尾島 敏康 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60448785)
中村 公紀 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (80364090)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | IL-17 / IL-23 / 胃癌 / 食道癌 / 腫瘍微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
胃癌腫瘍組織ならびに、腹腔洗浄液中におけるIL-17陽性細胞を免疫組織化学染色にて検索したところ、両部位でとも、単核球にIL-17の陽性像を認めるも、腫瘍細胞にはその発現を指摘しえなかった。 胃癌患者における、腫瘍局所のIL-17陽性細胞を免疫組織化学染色にて定量的に陽性細胞数を評価したところ、陽性細胞数は1視野につき7.30±0.82(mean±SE)であった。また、これと、術中腹腔洗浄液中のIL-17 mRNAの発現量との相関関係について検討したところ、r=0.092, P=0.329と両者に有意な相関関係は認められなかった。 さらに、腹腔洗浄液中におけるIL-17陽性細胞を抗IL-17抗体、抗CD3抗体、抗CD4抗体、抗CD8抗体、抗ɤδ-TCR抗体を用いてフローサイトメトリーにて解析した。CD3陽性T細胞にIL-17の発現を認めるも、ɤδ-T細胞にIL-17の発現は認めなかった。CD3陽性T細胞の中でもCD4陽性T細胞に主にIL-17の発現を認め(72.2±4.86%)、CD8陽性T細胞におけるIL-17の発現は少なかった(27.6±4.85%)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨今の諸報告によると、癌腫またその発現部位によりIL-17が抗腫瘍作用として機能するか、腫瘍増殖作用として働くか相反する報告がある。 胃癌において腫瘍局所と腹腔内の部位別でのIL-17陽性細胞の発現量と、それら発現部位での相関関係について検討を要し、ならびに、胃癌患者の腹腔内洗浄液中におけるIL-17発現細胞の同定に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の仮説として、腫瘍局所におけるIL-23の発現抑制によりTh-17を制御することで腫瘍増殖を抑制することを目的とした。しかしながら、以前の我々の研究実績として胃癌腹腔洗浄液中におけるIL-17mRNAは腫瘍の増殖・進展に伴い高発現も、進行胃癌患者においてその高発現群は予後良好であり、その臨床的意義としてIL-17の腹腔内環境における抗腫瘍免疫としての作用が示唆された。発現部位別での発現量と予後の関連を検討し、前年度の腫瘍局所のサイトカインの発現状況の解析を継続するとともに、食道癌についても、腫瘍局所のサイトカイン・ストームの状況を解析、検討する。
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