2015 Fiscal Year Research-status Report
p62-Keap1-Nrf2 pathwayによる大腸癌抗癌剤耐性機序の解明
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26462006
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
亀山 仁史 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40626420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若井 俊文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50372470)
味岡 洋一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80222610)
西條 康夫 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10270828)
松田 康伸 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40334669)
小山 諭 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10323966)
廣瀬 雄己 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (10737365)
小杉 伸一 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (90401736)
小林 隆 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40464010)
永橋 昌幸 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30743918)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | NQO1 / Nrf2 / Keap1 / KRAS / p62 / 抗癌剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、KRAS遺伝子変異のないKRAS野生型大腸癌であっても、薬物療法が奏効しない症例が存在することに着目し「メインストリームであるOncogenic Ras-MEK-ERK pathwayとは別経路が大腸癌の抗癌剤耐性機序に関与している」と考えた。そこで、p62-Keap1-Nrf2 pathwayが大腸癌の抗癌剤耐性に関与しているという仮説を立て、これを証明することを研究目的とした。 平成27年度までに以下の研究・解析を行った。(1)切除標本におけるNrf2/NQO1発現についてモノクローナル抗体を用いた免疫組織化学染色を行った。本研究51例の対象症例中、78.4%の症例でNQO1が発現し、21.6%はNQO1陰性であることが明らかとなった。(2)KRAS遺伝子変異については対象全症例で検索済みである。KRAS statusとNQO1発現を組み合わせた生存解析を行ったところ、統計学的な有意差を認めた(P = 0.049)。特にKRAS野生型かつNQO1発現陰性症例では、予後が良い可能性が示唆された。(3)NQO1の抗癌剤耐性機序の証明のために、抗癌剤治療を行った47例でprogression free survivalとの関連を解析した。化学療法施行例においてはRECIST v1.1に準拠した効果判定を行った。予後については全例で最新情報を常にアップデートしている。NQO1の発現の有無と奏効率、PFS、OSの関連を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NQO1の発現解析は予定通りすでに終了している。一方で、p62、Nrf2の免疫組織学染色については、当初入手した抗体による染色では個別化が困難であった。NQO1と臨床データとの関連については概ね順調に進捗しており、途中経過報告として、研究会での発表(第101回新潟消化器病研究会)、学会発表(第115回日本外科学会学術集会、World Congressof Surgery,Aug. 2015, Bangkok)、論文化(新潟医会誌129(6):300-308,2015)を行った。現在、NQO1の抗癌剤耐性機序の証明のため、RECIST判定による奏効率、PFS、OSとの関連について解析中であり、併行して英文論文化の準備を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
NQO1発現と臨床データの関連について解析が進みデータをまとめつつ、英文論文執筆中である。追加実験にかかる物品費用、学会発表にかかる旅費、英文論文に関わる費用を計上する。
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Causes of Carryover |
概ね計画通りに進行しており、現在、英文論文作成中である。年度内に英文校正まで達成しなかったため若干の予算が繰越となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データの解析はほぼ終了し、現在英文論文化を行っている最中である。学会発表費用、英文校正費用、論文投稿費、追加実験費用などに使用予定である。
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Research Products
(1 results)