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2015 Fiscal Year Research-status Report

ヒト腸管粘膜固有層におけるCD11c陽性抗原提示細胞の系統的機能的解析

Research Project

Project/Area Number 26462014
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

西村 潤一  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20379209)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 香山 尚子  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40548814)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsヒト腸管粘膜固有細胞 / 樹状細胞 / CD103+CD14-細胞 / 炎症性腸疾患
Outline of Annual Research Achievements

大腸癌症例の非癌部腸管(正常部)を採取し、粘膜固有層内の単核球を分離しFACSにより細分化した。Lin(CD3,CD19,CD20,CD56)陰性HLA-DR陽性細胞をCD103とCD14で展開し、CD103+CD14-細胞に着目しCD14+CD103-細胞と比較しながら、機能を解析した。CD103+CD14-細胞はMay-Giemsa染色により樹状突起をもつ樹状細胞、CD14+CD103-細胞は貪食能をもつマクロファージであることを確認した。CD103+CD14-細胞は、CD14+CD103-細胞に比較してBATF3,IRF8,IRF4の転写因子が高発現であることを確認した。炎症性サイトカイン(IL-6,IL-23,TNF-α)の発現は、CD103+CD14-細胞では有意に低かったが、抗炎症性サイトカイン(IL-10,TGF-β)の発現は同程度認めた。
潰瘍性大腸炎の非炎症部腸管と炎症部腸管から粘膜固有層内の単核球を分離しFACSにより細分化した。正常部腸管から採取したCD103+CD14-細胞と潰瘍性大腸炎の非炎症部腸管と炎症部腸管から採取したCD103+CD14-細胞を比較した。炎症性サイトカイン(IL-6,IL-12,IL-23,TNF-α)の発現は、正常部に比較して、潰瘍性大腸炎の非炎症部、炎症部では上昇していた。抗炎症性サイトカイン(IL-10,TGF-β)の発現は同程度認めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度まではCD14-CD11c+細胞をCD103で展開し、CD14-CD11c+CD103+細胞とCD14-CD11c+CD103-細胞を比較する計画としていた。しかし、CD14-CD11c+CD103+細胞とCD14-CD11c+CD103-細胞の細胞数が非常に少ないため、研究が遅れていた。そのため、今年度は昨年度とヒト腸管から粘膜固有層内の単核球を分離する方法を少し変更した。主な変更点は酵素処理に使用する酵素の種類を変更したことである。昨年度までの単核球の分離方法ではCD103+細胞の細胞数が非常に少なく、機能解析をすることが困難であった。しかし、酵素処理方法の変更などにより、比較的安定して実験に必要な細胞数を採取できるようになってきている。細胞数を比較的安定して確保できるようになったことが、研究がおおむね順調に進展している理由と考える。
今後は正常部だけではなく、炎症性腸疾患(特に潰瘍性大腸炎)患者におけるCD103+細胞の機能解析をすすめ、正常部腸管に存在する細胞との機能の違いなどを検討していく予定である。正常部腸管に比較して炎症性腸疾患の検体採取は機会が限られているため、今後の実験の進捗に影響を与える因子になると考えている。

Strategy for Future Research Activity

今までの研究で、CD14+CD103-細胞に比較してCD103+CD14-細胞では、炎症性サイトカインの発現は低いが、抗炎症性サイトカインの発現は同程度であることが分かった。また正常部腸管と潰瘍性大腸炎の非炎症部、炎症部腸管に存在するCD103+CD14-細胞では、炎症性サイトカインの発現に差を認めた。今後もこの研究結果を踏まえてCD103+CD14-細胞に着目して研究をすすめていく。
CD103+CD14-細胞とCD14+CD103-細胞をTLR刺激下で培養することにより、サイトカイン産生をELISAで解析する。
CD103+CD14-細胞のNaiveT細胞の誘導能を検討する。正常部腸管から採取したCD103+CD14-細胞とCD14+CD103-細胞を末梢血中からFACSにより採取したNaiveT細胞と共培養し、Treg細胞(Foxp3の細胞内染色),Th1細胞(IFN-γの細胞内染色),Th17細胞(IL-17の細胞内染色)の誘導能を比較検討する。また、培養液中のサイトカインをELISAを用いて解析する。
同様のことを潰瘍性大腸炎の非炎症部、炎症部腸管から採取したCD103+CD14-細胞でも行う。Treg細胞,Th1細胞,Th17細胞の誘導能や培養液中のサイトカインを正常部のCD103+CD14-細胞と比較することにより、炎症性腸疾患(特に潰瘍性大腸炎)患者におけるCD103+CD14-細胞の腸管免疫における役割について考える。

Causes of Carryover

大腸癌症例の非癌部腸管(正常部)を採取し、粘膜固有層内の単核球を分離しFACSにより細分化するのに必要な物品を購入したため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

Treg細胞,Th1細胞,Th17細胞の誘導能や培養液中のサイトカインを正常部のCD103+CD14-細胞と比較することにより、炎症性腸疾患(特に潰瘍性大腸炎)患者におけるCD103+CD14-細胞の腸管免疫における役割について考えるための物品を購入するため。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 炎症性腸疾患の免疫制御に資する標的細胞の探索~ヒト腸管免疫から眺めた創薬~2016

    • Author(s)
      西村潤一
    • Organizer
      日本薬学会第136年会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      2016-03-28 – 2016-03-28

URL: 

Published: 2017-01-06  

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