2014 Fiscal Year Research-status Report
末期肝不全に対する肝過小グラフト移植を基盤とした多能性幹細胞融合肝再生法の開発
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26462034
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮城 重人 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00420042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川岸 直樹 東北大学, 大学病院, 准教授 (00333807)
後藤 昌史 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (50400453)
中西 渉 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 非常勤講師 (50636024)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 過小グラフト / 門脈圧 / 門脈下大静脈シャント / 多能性幹細胞 / 細胞移植ブースト |
Outline of Annual Research Achievements |
肝過小グラフト移植を基盤とした多能性幹細胞融合肝再生法(細胞移植ブースト法)を行うにあたり、まず我々はマウス70%肝切モデルでの細胞移植モデル確立を進めた。ただ、多能性幹細胞=Muse細胞の分離採取が想定細胞数に到底及ばないため、腹腔内脂肪から間葉系幹細胞を採取培養することとした。これは口腔修復学斉藤教授の支援を受け順調に進んでいる。門脈カテからの細胞移植ではやはり門脈圧亢進を認め、再生効率を下げない移植細胞数の減量に挑戦、を目指していたが、生着率を保った細胞数減量は想定通りにはいかないことがわかってきた。現在門脈圧を亢進しない移植法(門脈下大静脈シャント造設細胞移植法)を検討中である。 これを受け、過小グラフト+細胞移植ブースト法のモデルの作成を、ラットよりサイズが大きく比較的施行しやすいブタで開始した。方法としてはdonorに肝左3区域切除を施行し、残った後区域を約30%の過小グラフトとして摘出、レシピエントの全肝を摘出後に上記過小グラフトを移植した。実際に移植を成功させ検体採取ができるようになるまで手技安定に時間を要したが、結果的に昨年度では門脈下大静脈シャント非作成群(1例)、門脈下大静脈シャント作成群(5例)を完遂できた。生存率、術後の生化学、肝重量の変化、病理組織を比較検討した。門脈下大静脈シャント非作成群(1例)は術後肝不全・腹水多量にて当日夜死亡したが、門脈下大静脈シャント作成群(5例)は5例中2例が24時間以上生存した(1例は1病日、1例は6病日まで生存、残る3例は術直後死亡)。6病日生存例では剖検時における肝重量はほぼ全肝にまで再生し、肝細胞構築はほぼ正常を呈していた。解析は現在施行中である。これらの結果から、通常過小グラフト移植では門脈血流が相対的に増加し門脈圧亢進を起こすが、門脈下大静脈シャントを作成することで、過剰な門脈血流量が回避され、より細胞移植を施行できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度はブタに対する肝左三区域切除の手技安定および移植手技安定に難渋し、実際に移植を成功させ検体採取ができるようになるまで時間を要したが、結果的に昨年度では門脈下大静脈シャント非作成群(1例)、門脈下大静脈シャント作成群(5例)を完遂できた。 これにより部分肝移植のモデルは当初の予定以上のペースで進んでいる。 しかし肝細胞移植ブーストのための細胞培養については、細胞分離収集ペースが上がらず、移植効率も考えると想定以上の細胞数が必要であることもわかってきた。現在の状況ではmuse細胞からの培養細胞移植は必要細胞数的に困難であることが判明したため、現在脂肪からの間葉系幹細胞に変更し分離収集効率をあげるためにコラゲナーゼを変更し作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
部分肝移植実験はこのまま継続しn=5ずつを完遂させる。 間葉系幹細胞分離収集については、収集分離培養効率向上のためコラゲナーゼの再検討をしている。また移植必要細胞数を減らすため生着率を向上させる手段を検討中である。
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