2015 Fiscal Year Research-status Report
FXR agonistを用いた肝切除後肝再生促進療法の臨床応用を見据えた基礎研究
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26462047
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高森 啓史 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (90363514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 弘尚 熊本大学, その他の研究科, 医員 (40573621)
別府 透 熊本大学, 医学部附属病院, 教授 (70301372)
林 洋光 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (80625773)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | FXR / 肝切除 / 胆汁酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
2000年以降肝切除を施行した31例を対象にまずFXRの免疫染色を行った。背景肝と腫瘍部を別個に判定し、10%以上の肝細胞または肝細胞癌細胞においてFXRの核内移行を認める症例を陽性症例として評価を行った。背景肝にFXR核内移行を認めた症例は13例(42%)であった。これまで得られている結果として、組織学的線維化の上昇とともに胆汁酸濃度は上昇するということを認めていたため、この血中胆汁酸濃度上昇がFXR核内移行へ関与するかどうかを調べた。FXR核内移行群と核内非移行群との間には血中胆汁酸濃度の差は認めなかった。一方、FXR核内移行率は、肝の線維化が強くなるにつれて強くなる傾向を認めた(F0-1:20%, F2:25%, F3:38%, F4:42%)。FXRが核内へ移行するメカニズムについては血中胆汁酸が関与していない可能性が示され、予想される結果とは異なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はヒトサンプルの解析を中心に行った。FXRの免疫染色の条件決定に時間を要したが、テストサンプルでの解析を終了した。予想される結果とは異なったものの、FXRの核内移行には血中胆汁酸濃度は関与しない可能性が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで我々は、血中胆汁酸濃度は肝切除後の肝再生と関連し、胆汁外ろうは肝再生を抑制する可能性があることを見出した(Br J Surg 2012)。今研究では肝硬変症例において胆汁酸が高いという事実に基づき、FXRの核内移行が血中胆汁酸濃度に影響をうけるかを調べ、関連がないことを確認した。従って、ベースとなるFXRの核内移行は他のメカニズムによる制御機構が存在し、術後の胆汁酸濃度の上昇とともにFXRシグナルの活性化がすべての症例に起こる可能性がある。我々はβCateninが肝再生の制御因子であることを報告したが(Yang J et al. Hepatology 2014)、FXRが肝細胞癌においてはβCatenin pathwayのNegative regulatorであるという報告が近年なされており(Xijun L et al. Oncotarget 2015)、ヒトにおいて肝再生におけるFXRの役割とそのメカニズムを調べるため、βCateninシグナルとFXR核内移行との関連性も調べる。
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Causes of Carryover |
ヒトサンプルの解析において、FXRの免疫染色の条件決定に時間を要し、また得られた結果が予想される結果とは異なったため、当初の研究計画に見直しを行う必要があったため。また、医局内に保管している消耗品を使用したため、予定より消耗品を購入しなくてすんだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度はヒトにおいて肝再生におけるFXRの役割とそのメカニズムを調べるため、βCateninシグナルとFXR核内移行との関連性も調べる予定であり、サンプル、及び他消耗品費が必要になる。また、得られた結果をデータとしてまとめるため、事務補佐員を雇用したいと考える。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] CXCL12/CXCR4 activation by cancer-associated fibroblasts promotes integrin β1 clustering and invasiveness in gastric cancer.2016
Author(s)
Izumi D, Ishimoto T, Miyake K, Sugihara H, Eto K, Sawayama H, Yasuda T, Kiyozumi Y, Kaida T, Kurashige J, Imamura Y, Hiyoshi Y, Iwatsuki M, Iwagami S, Baba Y, Sakamoto Y, Miyamoto Y, Yoshida N, Watanabe M, Takamori H, Araki N, Tan P, Baba H.
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Journal Title
Int J Cancer
Volume: 1;138(5)
Pages: 1207-19
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Changes in expression levels of ERCC1, DPYD, and VEGFA mRNA after first-line chemotherapy of metastatic colorectal cancer: results of a multicenter study.2015
Author(s)
Baba H, Baba Y, Uemoto S, Yoshida K, Saiura A, Watanabe M, Maehara Y, Oki E, Ikeda Y, Matsuda H, Yamamoto M, Shimada M, Taketomi A, Unno M, Sugihara K, Ogata Y, Eguchi S, Kitano S, Shirouzu K, Saiki Y, Takamori H, Mori M, Hirata T, Wakabayashi G, Kokudo N.
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Journal Title
Oncotarget
Volume: 20;6(32)
Pages: 34004-13
DOI
Peer Reviewed
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