2014 Fiscal Year Research-status Report
インターロイキン-11の臨床外科領域への応用-大動物モデルによる前臨床試験-
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26462082
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
黄野 皓木 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (40375803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 護郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20314312)
石田 敬一 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任准教授 (40375671)
藤尾 慈 大阪大学, 大学院薬学研究科, 教授 (20359839)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | IL-11 / 心臓血管外科 / 心筋保護効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、心筋細胞保護作用を有するサイトカインであるインターロイキン-11(IL-11)を用いて、心臓外科領域における心血管病の新規治療法を確立することを目的とする。これまでの小動物を使用した模擬臨床実験では、IL-11は虚血再灌流障害縮小効果を有することが分かった。今回、本格的な臨床応用に向けて期間中に以下の2点を行う。 (1)大動物を使用した虚血再灌流障害抑制効果に関する検討:臨床応用への最終段階として、大動物(ブタ)を用いた異所性心臓移植を行う。摘出前と移植前後のドナー心にIL-11を心筋保護液として投与し、移植後の再灌流障害抑制効果を病理組織学的および病態生理的学に評価し、IL-11投与群と非投与群で比較検討する。 (2)IL-11による臨床外科領域への応用:低心機能開心術症例を対象に、IL-11投与群と非投与群で比較検討を行う。IL-11は心停止前後に投与する心筋保護薬として用いる。 上記のうち(2)の研究は、(1)の手技、結果等を参考にするため、(1)の研究が完了しないと開始できない。現在、(1)の研究の進行については、まだ文献調査・技術習得の段階で、実質的な成果はまだ得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の最大の特徴は大動物を使用した虚血再灌流障害抑制効果に関する研究である。実験を遂行するには動物実験の3Rを意識し行わなければならず、そのためには入念な準備や技術習得が必要である。準備段階で実験後の解析のひとつである病理組織学的評価を予定より多角的に検討していくこととなり、使用予定であった試薬が年度内に入手困難であったり、技術習得に多くの時間を費やしてしまった。こうした背景に通常の臨床業務の多忙さが加わり、研究進行に遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究が未完なため、平成27年度は引き続き前年度の実験を継続する。研究遂行上の大きな障害となっていた技術習得は順調に進んでいる。前年度までの遅れを取り戻すためには、H27年度はハイペースで実験を進める必要があるが、動物実験の3Rを意識し実験を行う予定であり、まもなく実験を開始できる予定である。その一方で、IL-11による臨床外科領域への応用についても準備(倫理委員会の承認、安全性試験など)を進める。
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Causes of Carryover |
研究の進めていく過程で、文献調査・技術習得が十分でなかった。病理組織学的評価を予定より多角的に検討していくこととなった。その中で使用を予定していた試薬が入手困難であり、代替となるものが年度内の入手が困難であったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の所要見込額は、平成26年度の未使用見込額150万円と平成27年度請求額120万を合わせた270万円であり、その多くは物品費(大動物の購入やIL-11の購入)にあてられる。残額の分配は、重要度に応じて各必要経費(旅費、人件費、謝金等)へ割りあてられるが、それらの経費については出費額は低く研究遂行において大きな障害となる可能性は低い。
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