2017 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of interleukin-11 in a donation after circulatory death heart model
Project/Area Number |
26462082
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
黄野 皓木 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (40375803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 護郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20314312)
石田 敬一 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任准教授 (40375671)
藤尾 慈 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (20359839)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | IL-11 / 心筋保護効果 / サイトカイン療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、心筋細胞保護作用を有するサイトカインであるインターロイキン-11(IL-11)による心血管病の新規治療法を確立することを目的としている。これまでの小動物を用いた模擬臨床実験では、IL-11には冷却心に対する虚血再灌流障害縮小効果を有することが判明した。しかしながら、臨床現場においては温阻血に対する心筋保護も重要な課題であり、これに関しては未だ有益な研究成果の報告がない。今回の研究テーマである「大動物を使用した虚血再灌流障害抑制効果に関する検討」は、大動物を用いて異所性心臓移植を行い、IL-11の移植後再灌流障害抑制効果をみることであるが、この実験には温阻血時間が発生するため、温阻血による心筋障害の問題を解決しなければ実験は無益に終わる可能性が高いと判断した。そこで、急遽、大動物を小動物に変更し、まずはIL-11による温阻血心に対する心筋保護効果を検証した。 21匹のラットを無作為にIL-11投与群とコントロール群に分け、心臓摘出後25分の温阻血障害を与え、ランゲンドルフ灌流装置で60分の再灌流を施行した。再灌流中は圧データなどから左室機能を評価し、再灌流後の排液を生化学検査に、再灌流終了後の心臓は病理学的検査に提出した。左室圧はIL-11投与群で良好であり、冠灌流圧はIL-11投与群で低かった。生化学検査では心筋逸脱酵素(CK-MB、cTnI)はIL-11群で低い傾向があり、乳酸値はIL-11群で有意に低値であった。病理学的検査では両群で明らかな壊死、アポトーシス所見を認めなかったが、電子顕微鏡検査でIL-11投与群に浮腫とミトコンドリア障害の減弱傾向を認めた。以上の結果から、IL-11による温阻血後再灌流早期の心筋障害軽減効果、冠血管抵抗改善効果が示された。 本研究内容および結果については、すでに論文化され、Asian Cardiovascular Thoracic Annals雑誌に投稿済みである(現在Under Review中)。
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Research Products
(1 results)