2014 Fiscal Year Research-status Report
多発肺腺癌とエストロゲン代謝関連遺伝子多型、肺組織中エストロゲン濃度の関連
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26462131
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
白石 健治 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (70363538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 公英 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (20448525)
鈴木 実 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (80312940)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肺腺癌 / エストロゲン / アロマターゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
当初予定していた当院腫瘍医学教室でのLiquid chromatography/electrospray tandem mass spectrometry を用いたエストロゲンの定量については、特許の関係もあり現在のところ実現しておらず、まずは外注にて目的の定量を行うこととした。 2012/10/1~2014/8/1 当科にて肺切除を行った109例の肺腺癌症例の非腫瘍部正常肺においてestrone, estradiol の濃度を測定した(エストロゲン高感度測定法(あすかメディカル))。 喫煙者肺癌の背景肺においては非喫煙者と比較してEstrone, Estradiol とも有意に高値であった。多発肺腺癌の背景肺においては単発肺腺癌患者と比較して有意にEstrone の発現が高値であった。喫煙と肺組織中のエストロゲン濃度のの間に相関が認められ、喫煙に伴う慢性炎症に伴い、アロマターゼの活性が上昇し、肺組織中のエストロゲン濃度が上昇していることが考えられ、今後本研究の目的である肺腺癌の多発との関連性の検討をおこなっていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた当院腫瘍医学教室でのLiquid chromatography/electrospray tandem mass spectrometry を用いたエストロゲンの定量については、特許の関係もあり現在のところ実現しておらず、まずは外注にて目的の定量を行うこととした。 喫煙による肺組織中のエストロゲン濃度上昇は当初予測しておらず、この結果をもとに今後はさらに検討を加え、その知見を論文、学会を通して発表していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
切除肺癌組織および正常肺組織におけるエストロゲンレセプター、アロマターゼ、エストロゲンの発現の検討:手術にて切除した肺癌組織において免疫組織染色を行い、ERα、ERβ、アロマターゼの発現の解析を行う。さらに切除した肺癌組織ならびに正常肺部分から抽出したRNAを基に作成したcDNAをサンプルとして、エストロゲン代謝関連酵素の発現の定量をTaqman probe法によるreal-time PCR法を用いて行う。 ② 切除正常肺組織におけるステロイドホルモンの定量:5α-dihydrotestosteron (DHT) およびestradiol の濃度測定をさらに追加し、L定量したエストロゲン濃度と多発肺腺癌発生リスクや、非喫煙者肺胞壁置換性増殖腺癌の発生リスクとの関連性を検討する。またCYP19A1多型およびその発現量と肺実質中のエストロゲン濃度との関連性を検討する。
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Causes of Carryover |
分担金は論文投稿料として利用する予定で計画の遅れが生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度論文を発表する予定である。
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