2015 Fiscal Year Research-status Report
多発肺腺癌とエストロゲン代謝関連遺伝子多型、肺組織中エストロゲン濃度の関連
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26462131
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
白石 健治 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (70363538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 公英 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (20448525)
鈴木 実 熊本大学, その他の研究科, 教授 (80312940)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多発肺腺癌 / エスロトゲン / アロマターゼ / CYP19A1 |
Outline of Annual Research Achievements |
2012年10月~2015年7月 当科にて肺切除を行った多発肺腺癌症例51例を含む250例の肺切除症例の非腫瘍部正常肺においてEstoradiol/ Estriol の定量を行った。その結果①肺組織中のエストロゲン濃度は55歳未満女性で有意に高値であり、卵巣からの生成の影響が考えられた。②55歳以上の症例で解析すると、男性において有意に高値であった(estrone p<0.001, estradiol p<0.001)。 エストロゲンの原料としての精巣から産生されるテストステロンの濃度が関連していると考えられた。③55歳以上男性での解析で喫煙との有意な相関は認めなかった。④肺癌切除症例と非癌症例で比較すると非癌症例で有意に高値であったが、これは非癌症例に転移性肺腫瘍症例が多く含まれ、化学療法の施行などが影響しているのではないかと考えられた。以上の結果から多発肺腺癌の発生と肺内エストロゲン濃度との関連を検討するにあたり、55歳以上の非喫煙者閉経後女性の肺癌切除症例113例(多発肺腺癌30例)において解析を行うことにした。①同時性多発肺腺癌群(SMLA) 30例とコントロール群 (単発非小細胞腺癌症例79例と比較すると、estrone (p=0.003), estradiol (p=0.02) 共に多発肺腺癌症例で高値であった。②CYP19A1 のgenotypeと肺内エストロゲン濃度との関連においては、estrone (p<0.001), estradiol (p=0.04) 共にAアレル(AA/AG)で高値であった。③CYP19A1のmRNA 発現とCYP19A1 rs3764221 genotypeとの関連においては、rs3764221 Aアレルが有意に高い値であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記研究成果を現在論文投稿中である
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Strategy for Future Research Activity |
① 手術にて切除した肺癌組織において免疫組織染色を行い、ERα、ERβ、アロマターゼの発現の解析を行い、今回検討した背景肺におけるエストロゲンの濃度との関連性や多発肺腺癌と単発症例の比較を行う。 ② CYP19A1以外のエストロゲン代謝関連遺伝子の発現や遺伝子多型と肺内エストロゲン濃度、多発肺腺癌発生との関連性を検討する。
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Causes of Carryover |
研究結果の発表および研究成果のさらなる発展のための研究経費として必要です。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の継続にかかる物品費および研究結果発表のための論文発表費、学会出張費として支出します。
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Research Products
(1 results)