2014 Fiscal Year Research-status Report
転移性脳腫瘍におけるWT1ワクチン療法・分子標的治療併用新規集学的治療法の開発
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26462195
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
泉本 修一 近畿大学, 医学部, 准教授 (40324769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友金 祐介 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10412008)
加藤 天美 近畿大学, 医学部, 教授 (00233776)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 悪性脳腫瘍 / 転移性脳腫瘍 / 免疫治療 / WT1 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット脳腫瘍モデルおよびヒト脳腫瘍においてWT1ワクチン治療前後の局所での獲得性免疫動態を明らかにし、転移性脳腫瘍における抑制系および促進系免疫機序の解明とWT1ワクチン療法と分子標的療法併用集学的治療の開発を本研究の目標としている。 Ⅰ:Wisterラットをモデルとして用い、(i)正常ラット、および(ii)担脳腫瘍(Walker 256 carcinoma-由来)ラットを作成した。それらに対して脳組織でCD4陽性細胞、CD8陽性細胞を免疫組織学的に同定し、その集簇や時間的動態を明らかにした。コントロールとして行った正常ラット脳に対して、担脳腫瘍ラットの脳では、限局性であったが免疫担当細胞の集簇は認められ、局所獲得免疫細胞として評価した。 Ⅱ:ヒトにおいて、転移性脳腫瘍の外科手術による腫瘍摘出時に再手術した腫瘍組織および辺縁組織を用いて検討した。それぞれの転移性脳腫瘍組織においてWT1の発現およびCD4、CD8を免疫組織学的に同定し、その免疫担当細胞の集簇を明らかにした。すべての腫瘍細胞でWT1は発現されていたが、肺癌細胞に強く、乳癌細胞に弱い傾向があった。 初年度の研究実績として、研究責任者の所属が変更したため、研究共同者の変更追加などを要し、実験系を再構築する必要があったため、時間を要し、満足のいくものではなかった。しかしながらWT1免疫治療の継続実績があり、初年度からWT1の治療に関連した英語論文2編が出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Ⅰ:Wisterラットをモデルとして用い、(i)正常ラット、および(ii)担脳腫瘍(Walker 256 carcinoma-由来)ラットを作成した。それらに対して脳組織でCD4陽性細胞、CD8陽性細胞を免疫組織学的に同定し、その集簇や時間的動態を明らかにした。コントロールとして行った正常ラット脳に対して、担脳腫瘍ラットの脳では、限局性であったが免疫担当細胞の集簇は認められ、局所獲得免疫細胞として評価した。今後WT1ペプチド投与下での局所獲得免疫細胞を同定する。 Ⅱ:ヒトにおいて、転移性脳腫瘍の外科手術による腫瘍摘出時に再手術した腫瘍組織および辺縁組織を用いて検討した。それぞれの転移性脳腫瘍組織においてWT1の発現およびCD4、CD8を免疫組織学的に同定し、その免疫担当細胞の集簇を明らかにした。すべての腫瘍細胞でWT1は発現されていたが、肺癌細胞に強く、乳癌細胞に弱い傾向があった。今後WT1ペプチド投与下での局所獲得免疫細胞を同定する。 初年度の研究実績として、研究責任者の所属が変更したため、研究共同者の変更追加などを要し、実験系を再構築する必要があったため、時間を要し、満足のいくものではなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
Ⅰ:Wisterラットをモデルとして用い、(i)正常ラット、および(ii)担脳腫瘍(Walker 256 carcinoma-由来)ラットを作成した。それらに対して脳組織でCD4陽性細胞、CD8陽性細胞を免疫組織学的に同定し、その集簇や時間的動態を明らかにした。コントロールとして行った正常ラット脳に対して、担脳腫瘍ラットの脳では、限局性であったが免疫担当細胞の集簇は認められ、局所獲得免疫細胞として評価した。今後の推進方策として、ラットclass Ⅰ拘束性WT1ペプチド(CTLエピトープ)を投与し、その免疫反応、組織反応を詳細に検討する。 Ⅱ:ヒトにおいて、転移性脳腫瘍の外科手術による腫瘍摘出時に再手術した腫瘍組織および辺縁組織を用いて検討した。それぞれの転移性脳腫瘍組織においてWT1の発現およびCD4、CD8を免疫組織学的に同定し、その免疫担当細胞の集簇を明らかにした。すべての腫瘍細胞でWT1は発現されていたが、肺癌細胞に強く、乳癌細胞に弱い傾向があった。今後の推進方策として、WT1ペプチド投与下での局所獲得免疫細胞を同定する。さらに、免疫変動因子の可能性があるステロイド併用治療時、抗てんかん薬併用治療時の免疫担当細胞の動態解析を行う。
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Causes of Carryover |
研究責任者の所属が変更し、研究体制の再構築があったため、研究進行が当初予定よりも若干遅れた。 コントロールとしての研究は予定に沿ったが、治療研究において、新たに治療目的で使用予定のラットおよびヒト特異的WT1CTLエピトープペプチドの作成依頼請求が遅れた。今後新規業者に次年度依頼および請求を行う予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究を通して当初の予定どおり、WT1CTLエピトープペプチドをラットおよびヒトで合成し、治療研究に用いる予定にしている。その際、初年度使用予定であり、次年度に繰り越したものを新規業者に依頼請求し、経費として次年度分以外として使用する必要が生じる。
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Research Products
(4 results)